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ネコの拾い方…
第2章 その出会いがあったから…
「それで、叔父さんとはどんな遊びをしたんだ?」
昌弘が興味を示す。
「それが、叔父とは遊ばなかった。」
「へ?」
そう…。
僕の遊び相手は叔父でなく遼だった。
「起きろよ。」
朝の4時だというのに僕は遼に起こされる。
叔父は眠そうな表情で笑ってる。
「何っ?」
ホテルのベッドで寝てた僕は状況がわからない。
「着替えとお小遣いを持って出るぞ。」
遼は一方的な事を言う。
「なんで僕がっ!?」
「せっかく京都から来たんやろ?遊ばねえと損じゃん。それともお前は金持ちのオッサンばかりが集まるパーティーだけで満足しちまうお坊っちゃんなんか?」
「僕はお坊っちゃんじゃないよ。」
「だったら行こう。」
遼は強引に僕をホテルから連れ出す。
いつの間にか叔父は僕の着替えやお小遣いを入れたリュックを用意してくれてた。
僕はその荷物を背負い遼とホテルを出てタクシーに乗る。
「タクシーで遊びに行くとか遼もかなりのお坊っちゃんだね。」
遼に言われた嫌味を言い返す。
「仕方ねえじゃん。始発はまだやし、寛太(かんた)や刻(とき)の家まで行かへんと俺とお前の足がないんや。」
遼はニヤリとして僕を見る。
「僕と遼の足?」
僕の質問には答えず遼はニヤニヤだけを繰り返す。
チシャ猫の様な遼…。
自信たっぷりな遼の態度が鼻に付く。
「着いたわ。」
そこは街によくある小さな公園だった。
「俺のチャリンコは?」
遼が公園で待ってた男の子に聞く。
「持って来た。刻が姉ちゃんのチャリンコも借りて来た。なんでもう一台必要なんだよ。」
「こいつ、清太郎て言うて京都から遊びに来たんや。今日は清太郎も一緒に行くからな。」
遼が2人の男の子に僕を紹介する。