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ネコの拾い方…
第2章 その出会いがあったから…



2時間掛けて着いた遼の山で僕は更に驚く事になる。

山の中腹にある立派な大樹の上には、かなり完成度の高いツリーハウスが建ててある。

緑の屋根が付いた本格的で本物のツリーハウス…。

子供だけで簡単に造れる代物ではない。


「これも遼達が作ったの?」

「流石に木の上に小屋を建てるとか、俺達だけじゃ難しいから貯めた資金で専門家に基礎になる部分だけ建てて貰ろた。けど、ハシゴとか窓なんかは自分らで少しづつ作った。」


遼が自慢げに笑う。

1年前には山を買い、山で得られる恵みを売り、自分達の城としてツリーハウスを建てた少年…。

彼は本物の天才だと言わざるを得ない。

ツリーハウスの中にはテーブルやソファーまでもが装備されていて小学生レベルの隠れ家と言うにはレベルが高過ぎる。

僕達はカブトムシを捕り、山の裏側に流れる小川で遊び、お腹が空けば気ままにカップラーメンやお菓子を食べて1日を過ごす。

遼達が普段からやってる遊びは僕にとって全てが初めての経験ばかりだった。

カップラーメンすら食べた事がない僕に対して逆に遼が驚いた表情を見せる。


「お前、カップラーメンも食うた事がないんか!?」

「ないよ…、普通のラーメンもないからね。」

「給食で食うやろ?」

「うちの学校に給食は無いよ。」

「なんやて!?世の中にそんな学校があるんかいっ!」


僕が遼達を不思議だと感じるように遼も僕を不思議な存在に感じるらしい。


「藤原の跡取りって、ラーメンすら食えん生活なんか?お前、そんなんしてて楽しいんか?」

「楽しいから跡取りになる訳じゃないよ。生まれた時から跡取りって決まってただけさ。」


僕の言葉に遼が口を尖らせて不満げな顔をする。


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