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ネコの拾い方…
第1章 寒い夜だったから…



丁寧で優しい愛撫…。

イかせ屋を仕事としてる僕よりも昌弘の不器用な愛撫の方が気持ちいいかもしれないとか考える時もある。


「もう挿れる…。」


性急に僕がそう言えば


「まだに決まってんだろ…。」


と昌弘が嫌そうな顔を向けて来る。

僕のアナルから指を抜く昌弘がコンドームを用意する。

この間が嫌いだ。

昌弘を焦らすつもりだったのは僕の方なのに、昌弘がコンドームを装着してる間は僕が焦らされてる気分になる。


「女性じゃないから避妊とか要らない…。」

「男だから要るんだよ。俺は感染症とかなりたくない。」

「だったら早くしてよ。」

「萎えるから急かすな。つか…、清太郎は話の続きをしろよ。」


昌弘が大袈裟にため息を吐く。

この程度はいつもの事だ。

深夜だろうとなんだろうと僕がいきなり昌弘のところへ押し掛けてはとにかく抱けと迫るから…。


「どこまで話したっけ?」

「この京都に初めて来たってとこ…。」

「ああ…。」


5歳の時、初めて京都に来た。

小学校に上がる前に本家を見ておけと父に言われた為…。

新幹線から降りた僕を迎えに来てたのは本家の車…。

叔父が迎えに来てくれるとか期待しない。

相手は藤原家の当主…。

僕から会いに行くのが絶対的な礼儀…。

ただ僕の予想と違ったのは車が向かった先が本家の屋敷でなく、本家が経営する料亭という場所だった。


「つまり、叔父さんとやらも清太郎と同じ料理人って事か?」


僕に質問する昌弘の手が止まる。


「早く…。」


僕が睨めば昌弘が身震いする。

そう…。

叔父は料理人だった。

初めて見る親戚は…。

姉さんによく似たとても綺麗な男の人で僕はかなり驚いた。


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