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第1章 アリョーナの旅路

７月10日、アタシが暮らしているダウンタウンのパーク通りの教会の近くにあるアパートに、かつて下宿をしていた時にお世話になりましたインテリア家具屋さんのおかみさんがアタシのことが心配になりまして、アタシの元にやって来ました。

アタシはおかみさんに、ボブさんと離婚をしたこととボブさんの家の親族と大ゲンカになってしまったことを話しました。

おかみさんは、アタシがボブさんと離婚をしたことにつきまして、とても残念な表情でアタシに言いました。

「結局、大ゲンカになった末にまた離婚をしてしまったのね…アリョーナちゃんは、どうして嫁ぎ先で大ゲンカばかりを繰り返したりするのよ？」
「どうしてって…ボブさんがアタシに大ウソをついたのよ…離婚の理由はただそれだけよ。」
「ボブさんが、アリョーナさんにウソをついたと言うわけなの？」
「本当のことよ。」

アタシはおかみさんにチャイ(紅茶)を差し出した後、冷蔵庫のドアを開けまして冷蔵庫の中からバドワイザーの500ミリリットル缶を取り出しまして、フタをプシュッとあけながらこう言いました。

「アタシね…ボブさんが年収10万ドルでマサチューセッツ州の州庁の職員だと言うことを信じてお見合いをしたと言うのに…全然違っていたのよ…ボブさんはね、このままお嫁さんが来なくなってしまったらどうしようと思ってうろたえていたのよ…ボブさんのお母さまもお母さまよ…ボブさんにお嫁さんが来なくなってしまったらどうしようと思って、どうしようもならなくなってしまって…釣り書をごまかしていたのよ!!アタシ…そう思うのだけど…」

アタシは、缶ビールをゴクゴクとのんでからおかみさんにこう言いました。

「おかみさん、アタシはねショージキ言ってね、離婚と再婚ばかりが続いてしんどいのよ…何のためにアタシは結婚をしていたのだろうか？嫁ぎ先の家で大ゲンカばかりを繰り返して…アタシにふさわしい結婚相手は…もういないのかもしれない…とアタシは思ったのよ…」