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第3章 アリョーナの旅路・最終章

時は流れて…

2031年３月24日のことでありました。

アタシとタメルランの新生活の準備が出来上がりましたので、ミラノを出発することにしました。

アタシは、アパートの大家さんに旅立ちのごあいさつをしまして、タメルランと一緒にミラノ中央駅に向かおうとしていました。

(ジリリリリリン…ジリリリリリン)

この時、大家さんの部屋の黒電話がけたたましく鳴り響いていました。

大家さんはアタシに「あら、電話が鳴っているみたいだわ…アリョーナさん、ちょっとだけ待っていてね。」と言いまして、アタシに出発を待つように言いました。

早くミラノ中央駅に行きたい…

列車に乗ってジェノヴァまで行って、そこからフェリーに乗ってマルタへ行きたい…

この時、アタシの気持ちはすごくあせっていました。

大家さんは、電話の受話器を上げましてこう言っていました。

「はい…もしもし…○△荘はうちでございますが、どちら様でしょうか…ああ、コモ市内の…どうもご無沙汰しています…アリョーナさんですか？まだいますけれど代わりましょうか？」

大家さんは、アタシにルガーノさんのおじさんから電話がかかっているから電話に出てほしいと言いました。

しかし、アタシは電話に出たくないと大家さんに言うて拒否しました。

「イヤよ!!ルガーノさんの家からの電話には出たくもないわよ!!」
「どうしてそんなにつっぱねるの？ルガーノさんのおじさまがアリョーナさんのことを心配してかけて下さったのにそんな言い方はないと思うわよ…せめてここを旅立つ前に、お世話になったごあいさつだけでもしておいた方がいいと思うわよ？」

アタシは、大家さんからこう言われましたので仕方なく電話に出ることにしました。