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ラブ・アンド・セックス
第3章 石原夫妻の艶技
部屋が暗くなり、スクリーンとは反対側から強烈なライトが浴びせられた。オレたちの動きが大きな影になって白いスクリーンに映る。

スクリーンの向こう側で、先生がオレたちのシルエットを見ながら、照明の川村さんにライトの位置や角度を指示していた。

「川村くん、ライトの位置は、それでいい。あと三上くん、少し違った動きもつけてくれないかな」

少し違った動きか……そう言われても、愛し合うときの動きなんて、そんなにあるわけじゃない。とりあえずオレは、自分の上体を起すことにした。麻衣の腰を両手で掴んで持ち上げるようにして、腰を前後に動かす。

「いいよ、その動き。そのまま続けて……。こっちのほうが観客にわかりやすいかも知れないな」

先生に言われて、舞台なんだから普通にセックスするだけじゃダメなんだと気づいた。観客を意識して動かないといけない。かなり大変なことだ。

先生が再び川村さんに指示を出した。ライトの角度が微妙に調整される。

「OK、これでいこう」

スクリーンとライトの位置が決まったところで、石原さんと夏希さんも到着した。

「じゃあ、稽古を始めようか」

オレたちは、本番用の衣装に着替えるために更衣室に向かった。
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