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ラブ・アンド・セックス
第3章 石原夫妻の艶技
「良かったよ。三上くん」

灯りが点くと、相沢先生が拍手をしながら近づいてきた。

「石原くんたちの動の行為とは対照的な静の行為だったが、夫婦の愛情というものがよく出ていた」

「ありがとうございます」

玲子さんに渡されたバスローブに袖を通しながら、オレはお礼を言った。先生にしては珍しいお世辞かも知れないが、それでも褒められたのは嬉しかった。

「さて、石原くんたちの演技はダイナミックで良かったんだが、あの夏希くんが口でするところの動きは、少しやり過ぎだな。あれではポルノになってしまう。もう少し抑えたほうがいいな」

「わかりました。考えておきます」

「後ろから挿入するのは、すごくいいアイデアだと思う」

「あのスタイルが僕も夏希も好きなんです。なあ、夏希」

「ちょっと、あなた……」

夏希さんが恥ずかしそうに頬を赤らめた。

「そうか、それならこれからも続けてくれたまえ」相沢先生が言った。「ただし、挿入するとき、あれはもう少しゆっくりとやってくれないかな。夫婦が一つになる大事な瞬間だ。じっくりと見せたいんだ」

「わかりました」

石原さんが答えた。

「三上くんたちの演技は、さっきも話したが石原くんたちとは対照的な静の演技で、これはこれで良かった。ただ、もう少し動きが欲しいな。例えば、麻衣くんが上になるような動きがあってもいいかも知れない」

「はい」

「それと避妊具なんだが、あれを付けるところがどうしても間延びしてしまう。石原くんたちのように出来ないだろうか」

「石原さんたちはどうしてるんですか? そのままでしたけど避妊はしてないんですか?」

「ピルを飲んでるのよ」

夏希さんが答えてくれた。

そうか、ピルか……。

「麻衣くん、どうだろう、君も舞台の期間だけピルを飲んでくれないか?」

「わかりました。いい舞台をつくるためなら、そうします」

「ありがとう、そうしてくれると助かるよ」

嬉しそうに先生が言った。

「よし、2日後は、この稽古場での最後の稽古になる。衣装を着て最初から通し稽古をやるが、そのときもう一度やろう。それまで、それぞれ今のことを考えてきて欲しい」

こうしてオレたちは、最初のベッドシーンをどうにか終えた。
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