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第1章 序章
駄菓子屋でアイスを買った2人は、住宅街の真ん中にある広い坂道を自転車で登っていた。

学校や店がある地域と住宅街を結ぶ道。

そこから海を一望できる。

「あぢぃぃぃ……降りようぜ、歩こう」

2人は自転車を降り、歩きながらアイスを食すことに。

柳川は後ろに広がる大海原を見ながらガリゴリ君をかじる。

「良い眺めだな……ああ泳ぎてぇ」

「あれ? 先週彼女と行ったって言ってなかったか?」

「行ったけど雨だったんだよ。そんとき梅雨だったからな……そうだ行こうぜ?」

「いつ?」

「今から」

「はあ? バカ、やっとこさ家近くまで来たのに真逆に行くだと?」

「なにが家だアホ。夏は外に出てなんぼだろ。引きこもってちゃ損だ損!」

そう言うと柳川は自転車を180°回転させ、一気に下っていった。

朝倉は慌てて後を追う。
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