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黄昏異変 肉欲の奈落
第3章 恐怖の熟女同時多発エロ攻撃
 「後は、水泳かな」
 「水泳。誰かに誘われたの」

 「料理教室の帰り道にスポーツセンターがあるんだ。健康のために始めたんだよ」

 浩二は早苗の問いには直接答えなかった。

 「料理教室の帰り道・・・、そうだったの」

 世間話に見せる早苗の優しいい眼差しとは違う鋭い視線・・・。
 浩二の脇の下から冷や汗がスーッと流れた。

 「早苗さんこそ、新しい出会いはなかったのか、札幌で」

 話題を早苗に振った。

 「会社の病院と云っても、利用者の大半は地元の方。ほとんどがお年寄りなの」

 空白の三ヵ月の説明を無事終え、浩二はホッとした。
 しかし、ホッとするのはまだ早かった。

 散歩を終え、家に帰ると、早苗は用意していたすき焼き鍋に火を着けた。

 「今日、雨宮さんという方が訪ねて来たの」
 「エッ、雨宮さんが」
 「お付き合いしているんだって」

 (後出しジャンケンか・・・)

 早苗の戦法に浩二は手も足も出ない。

 「すまない。しかし、僕にだって言い分はある」

 見れば早苗の目は、テーブルの上のコンロの炎のように燃え上がっている。
 浩二は観念した。
 もはや完全にシャットダウン。
 すべては最悪の事態に向かって一直線だ。
 早苗の怒りもチットやソットで治まるような気配ではない。

 「煮て食おうが焼いて食おうが君の好きにしてくれ」

 グツグツと煮えるすき焼き鍋を見ながら浩二は開き直った。
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