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黄昏異変 肉欲の奈落
第3章 恐怖の熟女同時多発エロ攻撃
 相模川の河口に着くと、二人はタクシーを待たせて、海岸に向かった。

 闇の中に茫漠とした海原が広がっていた。
 その真っ黒な海原に向かって手を合わせる早苗を寒風が吹き付け、痛々しいその姿を海鳴りが包む。

 これほどまでの激情を抱いて一人の男を慕う女の姿を見るのは、慶太にとって初めてのことであった。

 慶太はふと、綾乃のことを思った。

 妻にどれほどの愛を感じているだろうか・・・。

 たまには抱くが、それも、いわば習慣か・・、ある意味では、単なる性欲の処理だ。

 妻の方だって同じだろう。時には面倒臭そうに相手をしている。

 しばらくジッと早苗の姿を見つめていた慶太は歩き出した。
 寒さに震え、身動きもせず海を見つめる早苗に近づくと、自分のコートを手に取ってその肩に掛けた。

 「お母さんに会えましたか」

 振り向いた早苗は、涙に潤んだ目で慶太を見つめて礼を言った。

 「じつは、母も浩二さんが好きだったんです。それをわたしが横取りしたの」
 「お母さんも彼を・・・」

 慶太は呆れた。

 「だから、罰が当たったのよ。でも、今ここにこうしているのは、きっと母が許してくれたからね」

 「もしかして、やっぱり・・・・」

 「そんな気はなかった。なかったけど、寄せては返す波を見ていたら引きずり込まれそうになって」

 早苗の目からまた大粒の涙がこぼれ落ちた。
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