この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
黄昏異変 肉欲の奈落
第1章 女医 早苗
その日以来、たまに三人連れ立っての散歩が半月ほど続いたが、突然、幸子も早苗も愛犬のロロもぷっつり姿を消した。
事前に何の音沙汰もなく、いきなり姿を現さないことなどはじめてだった。
どうしたのかと心配しながら三日目を迎えた日、いつもの場所に娘の早苗がロロを連れて立っていた。
「お久しぶり。お母さんはどうしたの」
「それが、母は他界しました」
「エッー、他界って、お母さん元気だったでしょう」
浩二は仰天した。
「わたしもまさかと思いました。胸の急性大動脈瘤破裂であっけなく」
「大動脈瘤破裂か」
浩二は早苗の言葉を鸚鵡返しにするのがやっとだった。
「ご愁傷様です。おいくつだったの」
「六〇です」
「六〇・・。若いなあ」
早苗の話では、すでに身内だけで葬儀は済ませたと言う。
事前に何の音沙汰もなく、いきなり姿を現さないことなどはじめてだった。
どうしたのかと心配しながら三日目を迎えた日、いつもの場所に娘の早苗がロロを連れて立っていた。
「お久しぶり。お母さんはどうしたの」
「それが、母は他界しました」
「エッー、他界って、お母さん元気だったでしょう」
浩二は仰天した。
「わたしもまさかと思いました。胸の急性大動脈瘤破裂であっけなく」
「大動脈瘤破裂か」
浩二は早苗の言葉を鸚鵡返しにするのがやっとだった。
「ご愁傷様です。おいくつだったの」
「六〇です」
「六〇・・。若いなあ」
早苗の話では、すでに身内だけで葬儀は済ませたと言う。