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黄昏異変 肉欲の奈落
第1章 女医 早苗
「私も疑問に思いました。なぜ、母がこんなものを残したのか。処分する機会はいくらでもありましたから」
早苗は視線を上げ、浩二の顔を見つめた。
「母は敢えて残したんだと思います」
「敢えて・・」
「私へのメッセージ。母は、私がおぞましい自分の性癖に気づいたとき、それが、母から受け継いだDNAであることを伝えたかったのです」
「なぜ・・・」
「私の受ける衝撃を少しでも和らげるためです」
「・・・・まさか」
「それとも、母は自分が最も幸福を感じた姿をどこかに残しておきたかったのかしら」
「そっちだよ。僕には分かる。ときどきお母さんはこのビデオを見ていたんだと思うよ。それが、突然の死で残ってしまった」
「浩二さんには、是非見ていただきたいの・・・。私のすべてを知っていただくために」
浩二が頷くと、早苗はビデオのスイッチを押した。
そこには紛れもなく幸子がロープに巻かれ、天井から吊るされていた。
「で、そこに立っているのがお父さん」
「それが、あの例の男性」
「あの幸子さんがねえ・・・・」
浩二はふたたび幸子の名を口にした。
「母の日記を読んで分かったんですが、両親はスワッピングクラブの会員だったんです」
「スワッピングクラブ」
そんな世界があると聞いてはいたが、身近にそんなインモラルな世界に遊ぶ夫婦がいたとは、浩二にとって驚きだった。
しかも、それがこの間までの犬友・・・。
早苗は視線を上げ、浩二の顔を見つめた。
「母は敢えて残したんだと思います」
「敢えて・・」
「私へのメッセージ。母は、私がおぞましい自分の性癖に気づいたとき、それが、母から受け継いだDNAであることを伝えたかったのです」
「なぜ・・・」
「私の受ける衝撃を少しでも和らげるためです」
「・・・・まさか」
「それとも、母は自分が最も幸福を感じた姿をどこかに残しておきたかったのかしら」
「そっちだよ。僕には分かる。ときどきお母さんはこのビデオを見ていたんだと思うよ。それが、突然の死で残ってしまった」
「浩二さんには、是非見ていただきたいの・・・。私のすべてを知っていただくために」
浩二が頷くと、早苗はビデオのスイッチを押した。
そこには紛れもなく幸子がロープに巻かれ、天井から吊るされていた。
「で、そこに立っているのがお父さん」
「それが、あの例の男性」
「あの幸子さんがねえ・・・・」
浩二はふたたび幸子の名を口にした。
「母の日記を読んで分かったんですが、両親はスワッピングクラブの会員だったんです」
「スワッピングクラブ」
そんな世界があると聞いてはいたが、身近にそんなインモラルな世界に遊ぶ夫婦がいたとは、浩二にとって驚きだった。
しかも、それがこの間までの犬友・・・。