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黄昏異変 肉欲の奈落
第2章 取締役経理部長 ユカリ
「水泳。競泳にでも挑戦しているの」
「競泳なんてとんでもない。のんびり二キロ泳ぐのがノルマ」
「二キロ。そりゃ凄い。週二回二キロ。いい運動ですね。僕も泳ごうかな」
「是非。お勧めしますワ。スポーツセンターの売店で水着もゴーグルも帽子もみんな揃いますから」
「へー」
浩二は立ち上がって帳場に向かった。
会計を済ませた二人は外に出た。
「お宅はどちらですか」
「わたしの家は、この川沿いをずっと行った途中です」
「そう、僕の家はその先の次の駅の近くだから、ご一緒しましょう」
「次の駅とわたしの住まいの丁度真ん中あたりがスポーツセンターです」
浩二はコートの襟を立てると両手をポケットに突っ込んだ。
「早苗さんのお話、もっと聞きたかったわ」
ユカリは甘えるように浩二に寄り添うと右腕にそっと手を絡めて歩き出した。
まるで恋人同士だ。浩二は2、30歳若返った気分になった。
「君の想像に任せるよ」
「きっと、行くところまで行ったのね」
ユカリの優しい目がそのときだけ浩二を睨む。
「行くところ・・・」
ユカリの鋭い視線に浩二は思わずたじろいだ。
「ところで、料理教室はどうします」
「入りましょう。月に一度の乾さんとの逢瀬ね」
「逢瀬・・・」
浩二には師走の冷たい風も心地よく思えた。
右腕に絡んだユカリの手に力が入った。
「競泳なんてとんでもない。のんびり二キロ泳ぐのがノルマ」
「二キロ。そりゃ凄い。週二回二キロ。いい運動ですね。僕も泳ごうかな」
「是非。お勧めしますワ。スポーツセンターの売店で水着もゴーグルも帽子もみんな揃いますから」
「へー」
浩二は立ち上がって帳場に向かった。
会計を済ませた二人は外に出た。
「お宅はどちらですか」
「わたしの家は、この川沿いをずっと行った途中です」
「そう、僕の家はその先の次の駅の近くだから、ご一緒しましょう」
「次の駅とわたしの住まいの丁度真ん中あたりがスポーツセンターです」
浩二はコートの襟を立てると両手をポケットに突っ込んだ。
「早苗さんのお話、もっと聞きたかったわ」
ユカリは甘えるように浩二に寄り添うと右腕にそっと手を絡めて歩き出した。
まるで恋人同士だ。浩二は2、30歳若返った気分になった。
「君の想像に任せるよ」
「きっと、行くところまで行ったのね」
ユカリの優しい目がそのときだけ浩二を睨む。
「行くところ・・・」
ユカリの鋭い視線に浩二は思わずたじろいだ。
「ところで、料理教室はどうします」
「入りましょう。月に一度の乾さんとの逢瀬ね」
「逢瀬・・・」
浩二には師走の冷たい風も心地よく思えた。
右腕に絡んだユカリの手に力が入った。