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黄昏異変 肉欲の奈落
第2章 取締役経理部長  ユカリ
 「寒いわ。酔いが覚めて来たみたい」

 ユカリの胸の膨らみが、二人のコートの厚みを隔てて腕に伝わる。

 ・・・・・・・ポケットの中の手を浩二はそっと握り締めた。
 そのとき、ユカリは立ち止まって腕を解いた。

 「ここなの」
 「ここか。静かでいいところだねェ」

 こじんまりとしたマンションの前だった。
 
 「ふー」

 浩二の口から深いため息が漏れた。

 「次回のお教室は来月の第二金曜日。それまでさようなら」
 「来月ってことは、もう正月か・・・」

 ユカリはエントランスに消えて行った。
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