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黄昏異変 肉欲の奈落
第2章 取締役経理部長 ユカリ
ユカリは辺りに人のいないことを確認すると、小声で執拗に言い寄ってきた。
「浩二さん、今夜、ダメ・・」
「・・」
「早苗さんと浩二さんのように」
あの夜、母が去った後、ユカリはカバーの乱れたベッドに寝た。
仰向けに寝て、天井を見つめた。
浩二との出来事が一つ一つスローモーションで天井に再生されていく。
再生が終わると、続が見たくなった。
浩二に、あのまま、身を任せたのだろうか?
いいの?
ユカリは自問自答してみた。
いいわ、それで。
私の体は私のもの。
ふたたび、体中が粟立つような興奮に包まれていた。
急に早苗の名前を持ち出された浩二は、少しむきになって否定した。
触れられたくない早苗との関係をわざとらしく口にするユカリに浩二は苛立ちを感じたのだ。
「なにを急に言い出すの。僕と早苗さんの間には、何もないよ」
「ウソばっかり」
「ウソって、君にいったい何が分かるの」
「分かります。何もかも」
なぜか自信たっぷりな早苗の態度に、浩二の苛立ちは動揺に変わっていく。
「どうしてそんなことが分かるの?君は早苗さんのことを何も知らないだろう」
「でも、わたしと早苗さんは、見かけより、心が似てるワ」
「心が似てる・・・」
ユカリの言葉に浩二の動揺は次第に大きくなっていった。
ユカリは勝手に自分に似せて早苗のイメージを作り上げ、そのイメージに自分ダブらせているのだが、しかし、その勝手なイメージがあまりにも的を得ているのだ。
「ユカリさん、それは君の早合点だ。まだ会ったこともないのに」
すっかり自分のペースに巻き込まれた浩二を見て、ユカリが畳み掛ける。
「わたし、あなたに惹かれた早苗さんのお気持が分かるの。だって、わたしもあなたが好きよ」
浩二はあわてて辺りを見回した。
「浩二さん、今夜、ダメ・・」
「・・」
「早苗さんと浩二さんのように」
あの夜、母が去った後、ユカリはカバーの乱れたベッドに寝た。
仰向けに寝て、天井を見つめた。
浩二との出来事が一つ一つスローモーションで天井に再生されていく。
再生が終わると、続が見たくなった。
浩二に、あのまま、身を任せたのだろうか?
いいの?
ユカリは自問自答してみた。
いいわ、それで。
私の体は私のもの。
ふたたび、体中が粟立つような興奮に包まれていた。
急に早苗の名前を持ち出された浩二は、少しむきになって否定した。
触れられたくない早苗との関係をわざとらしく口にするユカリに浩二は苛立ちを感じたのだ。
「なにを急に言い出すの。僕と早苗さんの間には、何もないよ」
「ウソばっかり」
「ウソって、君にいったい何が分かるの」
「分かります。何もかも」
なぜか自信たっぷりな早苗の態度に、浩二の苛立ちは動揺に変わっていく。
「どうしてそんなことが分かるの?君は早苗さんのことを何も知らないだろう」
「でも、わたしと早苗さんは、見かけより、心が似てるワ」
「心が似てる・・・」
ユカリの言葉に浩二の動揺は次第に大きくなっていった。
ユカリは勝手に自分に似せて早苗のイメージを作り上げ、そのイメージに自分ダブらせているのだが、しかし、その勝手なイメージがあまりにも的を得ているのだ。
「ユカリさん、それは君の早合点だ。まだ会ったこともないのに」
すっかり自分のペースに巻き込まれた浩二を見て、ユカリが畳み掛ける。
「わたし、あなたに惹かれた早苗さんのお気持が分かるの。だって、わたしもあなたが好きよ」
浩二はあわてて辺りを見回した。