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黄昏異変 肉欲の奈落
第2章 取締役経理部長  ユカリ
 冬の夜の公園に人気はなかった。
 二人は公園の片隅の木陰に隠れたベンチに座った。

 「ユカリさん」

 浩二が語り出そうとすると、いきなりユカリが抱きついてきた。
 ユカリの腕が首に巻きつき、柔らかな唇が浩二の唇に触れた。

 「僕は逃げも隠れもしないから、落ち着きなさい」
 「本当・・。本当ね」
 「しかし、君はいま、自分が何をしようとしているか分かっているんだね。僕も、男だよ・・・」

 すると、ユカリは返事をする代わりにコートのボタンを一つづつ外し始めた。
 コートのボタンを外し終わると、今度は浩二の両手をつかんで胸元に近づけた。

 「な、な、なにするんだ、こんなところで」

 「浩二さん、ブラウスのボタンも外して・・・」

 浩二はユカリの手を払った。

 「分かった。気持ちは分かったから、君の家に行ってから・・・」

 浩二は払ったユカリの手をそっと握った。
 するとユカリが耳元で「フフフ」と笑った。

 「ここまでは同じだった」

 「何が?」

 「わたしの初恋」

 「エッ、初恋・・・いきなり何の話」

 「中学生の頃、この川沿いがデートコースだったの。丁度今頃の塾帰りの静かな夜だったワ。わたしと彼、このベンチに座ったの」

 「偶然だね」

 「わたしが、コートのボタンを外して、それから、彼がブラウスのボタンを外して、彼がわたしの胸を開いて、わたしがブラをめくり上げて、彼が乳首を吸って・・」

 ユカリの語り口が次第に速まり、息遣いが荒くなる。
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