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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
「あったぞ」
部屋の奥から、先輩の声に引き戻される。
玄関開けてすぐのキッチンを抜け、リビングに足を踏み入れた時だった。
……うじゃうじゃ
もぞもぞもぞもぞ……
肉片に群がる、大量の蛆虫。
薄汚れた白い壁を走る、黒光りした物体。
……!
これ、3年前のものじゃない……
つい数日前まで生きていた……遺体だ。
否応なしに思い出されるのは、施設を出た時の光景──
化け物を含む、足の踏み場もないほど転がった大量の遺体。
その上を、カズとおぐっちゃんの三人で踏み歩いて………
「……うっ、」
吐き気を催して、体をくの字に曲げる。
「おい、大丈夫か?」
中々やって来ない僕を心配してか、先輩が寝室からリビングの方へと顔を出した。