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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
「俺はさ、この仕事をした時からずっと思ってる事がある。
遺体と向き合う度に、この人の人生は幸せだったのかなってよ。
……俺は家庭環境の悪い所で育ったから、元々一人でいる方が気が楽でさ。今まで恋人なんざ持った事もねぇ。
もし仮にいたとしても、こんな3K以上の酷ぇ仕事してる奴と、所帯持ちたいなんて物好きな女なんか、いねぇだろ。
……嫌がるだろ、普通。
だからさ、独り身の俺には向いてる仕事なんだなって。
けど、遺体と向き合う度に思う。
このまま一人で生きていたら、いつか俺も………こんな風に誰かに片付けられんのかなって。
そん時、お前はそれで幸せだったのかって、問われんのかなぁってよ」
先輩は、こんな世の中になる前から、遺品整理をする今の仕事についている。
化け物に食われた遺体しか片付けた事のない僕には、解らない感覚。