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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
ちゅ、くちゅっ……ん……
「……ふ、……は、ぁ……」
淫靡な水音。
溶け合う、お互いの熱い息。
優しく撫でられる、頬。
「……ナツネ、か。随分と伊江を悲しませる奴なんだな……」
唇を離した先輩は、頭を上げ周りを改めて見回す。
そして目に付いたのは、デスクにある幾つもの紙。
「………これは」
山引の背中から産まれるナツネ。
急速に成長し、ゆりかご地下室へと向かう、大量のナツネ。
クイーンに食われ引き千切られるナツネ。
笑顔で涙を浮かべる、ナツネ。
ナツネ。ナツネ。ナツネ。
ナツネ。ナツネ。ナツネ。
ナツネ。ナツネ。ナツネ。
ナツネ。………
「………」
ベッドに眠る僕。
頬についた涙の跡を、先輩の親指に拭われる。
そして前髪が搔き上げられ、剥き出しになったそこに、熱い唇を押し当てられた。
ガチャッ
玄関のドアが閉まる音。
その音に気付き、なんとか重い瞼を開けた。