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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
「……ただいま」
カズの声。
「悪ぃ、遅くなった」
トントン、と足音が聞こえた後、ドアが開き、カズが顔を見せる。
『このまま一人で生きていたら、いつか俺も、こんな風に誰かに片付けられんのかなって』
「飯、今から作るから」
「……カズ」
カズがいるから……僕は留まれる。
呼ばれて部屋に入ってきたカズは、僕の様子に首を傾げながらベッドに近寄った。
そしてあからさまに苦い顔をする。
「……酒、飲んだのか?」
「ん……一杯だけ」
「もう酒は止めろって言っただろ」
とろんとした瞳をカズに向ければ、カズは少し照れたように視線を逸らし、顔を真っ赤に染める。
「お前、その……無防備に誘う癖、あるから……」