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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
「……ごめ…ん」
素直に謝ると、驚いたようにカズがこちらに顔を向ける。
「……カズ……ぎゅって、して」
「しょうがねーな」
仰向けのまま両手を伸ばすと、カズがベッドに上がってくる。
「誘ったのは、お前の方だからな」
「……うん」
「俺……ご無沙汰で、我慢できねーから」
カズが、僕の首筋に顔を埋める。
そこに熱いものが触れ、濡れそぼつ舌が這われる度……ぴくん、と体が弾かれる。
「……は、っ、ぅん……」
「伊江……風呂場の石鹸、変えた?」
「……ううん」
耳元で囁かれた後、その耳殻に舌先が入り込む。
「先輩のうちで……っん、……シャワー借りた……から」
「……は?何でだよ」
カズが顔を上げ、僕を見下ろす。
その瞳は、どこか怒っているように見えて……
「今日の遺体、酷くてさ……
化け物に食われた家族を見つけた遺族が、自分を切り刻んで……後追い自殺……したんだ」
「……」
カズの瞳から熱が消え、小さく揺れた後申し訳なさそうな表情に変わる。