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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
ゆりかごを抜けた時の記憶がしっかりあるカズなら、どんな惨劇だったかは容易に想像できただろう。
「落ち込んでた僕を見かねて、先輩が飲みに誘ってくれたんだけど……悪臭つけたまま……店に入りたくなくて……」
カズから視線を逸らし、息を吐くように一気に吐露する。
「……伊江」
随分と真面目なカズの声。
それに引っ張られるようにカズを見れば、やっぱり真剣な顔をしていて……
「今まで言えなかったけど……
……もう、その仕事……辞めねーか……?
お前がナツネの事を思ってるのは良く解る。否定はしねぇよ。
……けど、伊江……」
カズが言いたい事は、痛いほど真っ直ぐ僕に突き刺さる。