この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
-その後の世界-
第1章 3年後の世界
復興中のこの世の中。
被害地域は世界にも及び、物資がなく、店頭に並ぶ物価は否応なしに高い。
引き受けたくはなかった。
だけど、生活費を稼ぐ為には、引き受けなくては。
「おぐっちゃんに頼まれたとか?」
「……うん」
「まぁ、おぐっちゃんの画力じゃ無理だよな」
施設の天井裏で長いこと棲み着く間に生まれた孤独。それを埋めるために描いたおぐっちゃんの″裕子さん″は、幼子が描くレベルの画力だった。
「……もしかして、稼ぐ為に」
「………」
「なぁ、伊江」
カズがベッドに乗っかってくる。
「……一人にして!」
ケットを頭までかぶり、カズを拒絶する。
今は、優しさなんて欲しくない。
僕に……優しくしないでくれ……