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第1章 とし子の悲劇

「武方さん!!あんたね!!アタシに助けてくださいと言っているようだけど、アタシにどうしてほしいと言うわけなのよ!?本来パソコンで配送伝票を作る女性従業員さんはどうしたのよ!?新婚旅行から帰ってきているのでしょ!?」
「新婚旅行からは帰ってきたけれど…成田から直接実家へ帰られたのだよぉ…」
「どうしてなのよ!?ゼンゼン話が違うわよ!!」
「としこさん、そんなに怒らないでください…女性従業員さんは、９月に赤ちゃんを出産する予定なので…産休を取っていて…」
「はぐいたらしいわねあんたは!!どうしてそななきれいごとばかり言うてはるのかしらね!!｣
｢きれいごとなんかじゃないのだよ…本当に産休で実家に帰省してはる…｣
｢ウソばかり言われん!!女性従業員さんは成田離婚で実家へ帰ったのでしょ!!あんたね!!パソコンで伝票を作る人がいないのだったらね!!どうして新規に人を雇わないのよ!?従業員さんにお給料を払うのがそんなにイヤなのかしらねぇ…だからアタシにどうしてほしいのよ!?」
「としこさん、としこさんから桂一郎さんに会社に戻ってきてほしいと説得してほしいのです…頼む、この通り…｣

武方さんがアタシに両手を合わせて助けてくれと言うたので、アタシはものすごく冷めた声で武方さんに言いました。