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とし子の悲劇
第1章 とし子の悲劇
「お母ちゃん…」
「おかあさま…」
「けっ…桂一郎…ごめんね…おかーさんとおとーさんが待てばお嫁さんが来ると言い続けていたばかりに…武方さん…雄一郎は…としこさんと離婚させるから…桂一郎のお嫁さん…としこさんと…ごめんね…お嫁さんほしかったのね…ごめんね…」
「フザケルなよ!!オレに待っていろと言うのは、としこさんしかいないと言うのかよ!?フザケルな!!何とか言えよ!!」
「桂一郎さん、落ち着いてくれ!!頼む!!」
「フザケルなよ!!オンボロ経営者がえらそうに言うなよ!!」

桂一郎さんの言葉に、武方さんはワーッと泣き出して桂一郎さんに許しを乞いました。

「桂一郎さん…許してくれこの通りだ!!私が桂一郎さんの結婚を止めたのは…恋人さんにふられた時に傷ついたらかわいそうだと思って止めたのだよ!!桂一郎さんにはたくさん仕事を覚えてほしかったし…お嫁さんのことについては雄一郎さんに万が一が発生した時にとしこさんと再婚できるようにと…おとーさんとおかーさんと約束をしていたのだよ!!桂一郎さん!!分かってくれ!!この通りだ!!」
「いいや!!許さないからな!!オンボロ経営者を許すことはできないからな!!」
「許してくれ!!許してくれなかったら…私はやって行けないのだよ!!」
「フザケルな!!」

(ガシャーン!!)

桂一郎さんは、花瓶を武方さんに投げつけた後に武方さんの右の目をグーで思い切り殴り付けてしまいました。
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