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純愛ハンター
第9章 裁き9、プリティベイベー
「そ、それで?」
「で、その噂を聞きつけた政治家や芸能事務所の人の依頼で邪魔な人間を次々入院させて上手く病死させる…っていう裏のお仕事を40年近くしてるんだって…」
「40年…って事は…全然表に出てないって事か…」
「多分ね…啓くん、もし良かったらその人と会ってみる?」
そして啓太はD里の紹介でW大学付属病院の精神科のドクターと会うと“上客候補”として迎えられ、C花の飲み物に睡眠薬を混ぜて昏睡させ、強制入院させて始末した…。
続けざまにD里も同様に始末すると、啓太は晴れて大手放送局の会長の孫娘と結婚し、2人の娘に恵まれた。
以後啓太は、仕事上の実力者に取り入ると同時に弱みを握る為、W大学付属病院のドクターに断続的に“仕事”を回し続けていたのだ。
そして、啓太がお嬢の捕獲を命じたB議員もつい先日、自分の秘密を触れ回っていたZ子を始末したばかりだった…。
「着きました、この辺で良いですか?」
運転手はそう言うと、オフィスビル群に囲まれた大きな建物の前にタクシーを止めた。
啓太はタクシーを降りるとW大学付属病院の敷地内へ入り、診療室や入院病棟の入った巨大な建物の奥の庭園のさらに奥へと歩を進め…ツタやコケにビッシリと覆われた古びた2階建ての建物の前で足を止めた。
「あぁ、Eドクター!またお世話になります…」
啓太は建物の前に出迎えていた、量の多い白髪をキッチリと7・3分けして白衣に身を包んだ初老の男性にそう声をかけた。
この建物が精神科の隔離病棟なのだ。
「あぁ、五島先生…実はちょっと困った事になりまして…」
Eドクターは無表情でそう言うと、啓太を建物の中に招き入れた。
啓太はこの建物の中の雰囲気がとても苦手だった…。
うっすらと獣がかった異臭と、どこからともなく聞こえるボソボソ…という独り言のような声が、ここに数10分居ただけで身体の中にまで染み付いてしまうようだったからだ。
「困った事とは?」
「B先生からメール…入ってませんか?」
「Bから…?」
啓太はスマホを取り出すと、
『お嬢さまに逃げられてしまいました 申し訳ございません』
お嬢の捕獲を命じていたB議員からのそんなメールを確認した。
「逃げっ…!られた…?」
「そうなんです…そういう事ですのでまた後日…」
「ご、後日って…ちょっと待て!拘束した筈じゃなかったのか…?」
「で、その噂を聞きつけた政治家や芸能事務所の人の依頼で邪魔な人間を次々入院させて上手く病死させる…っていう裏のお仕事を40年近くしてるんだって…」
「40年…って事は…全然表に出てないって事か…」
「多分ね…啓くん、もし良かったらその人と会ってみる?」
そして啓太はD里の紹介でW大学付属病院の精神科のドクターと会うと“上客候補”として迎えられ、C花の飲み物に睡眠薬を混ぜて昏睡させ、強制入院させて始末した…。
続けざまにD里も同様に始末すると、啓太は晴れて大手放送局の会長の孫娘と結婚し、2人の娘に恵まれた。
以後啓太は、仕事上の実力者に取り入ると同時に弱みを握る為、W大学付属病院のドクターに断続的に“仕事”を回し続けていたのだ。
そして、啓太がお嬢の捕獲を命じたB議員もつい先日、自分の秘密を触れ回っていたZ子を始末したばかりだった…。
「着きました、この辺で良いですか?」
運転手はそう言うと、オフィスビル群に囲まれた大きな建物の前にタクシーを止めた。
啓太はタクシーを降りるとW大学付属病院の敷地内へ入り、診療室や入院病棟の入った巨大な建物の奥の庭園のさらに奥へと歩を進め…ツタやコケにビッシリと覆われた古びた2階建ての建物の前で足を止めた。
「あぁ、Eドクター!またお世話になります…」
啓太は建物の前に出迎えていた、量の多い白髪をキッチリと7・3分けして白衣に身を包んだ初老の男性にそう声をかけた。
この建物が精神科の隔離病棟なのだ。
「あぁ、五島先生…実はちょっと困った事になりまして…」
Eドクターは無表情でそう言うと、啓太を建物の中に招き入れた。
啓太はこの建物の中の雰囲気がとても苦手だった…。
うっすらと獣がかった異臭と、どこからともなく聞こえるボソボソ…という独り言のような声が、ここに数10分居ただけで身体の中にまで染み付いてしまうようだったからだ。
「困った事とは?」
「B先生からメール…入ってませんか?」
「Bから…?」
啓太はスマホを取り出すと、
『お嬢さまに逃げられてしまいました 申し訳ございません』
お嬢の捕獲を命じていたB議員からのそんなメールを確認した。
「逃げっ…!られた…?」
「そうなんです…そういう事ですのでまた後日…」
「ご、後日って…ちょっと待て!拘束した筈じゃなかったのか…?」