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純愛ハンター
第10章 裁き10(最終回)、純愛という名のエンターテイメント
玲子はいつものように、母の気が済むまでひたすら耐え続けた…。
(どうにかしなくちゃ…)
…気の済んだ母が部屋を出て行くと、玲子はタンスの引き出しからファンレターの束を取り出し、その中のひとつを手に取った。そのファンレターの文末にはメールアドレスとともに『困った事があれば相談に乗らせてください』という一文が書き添えられていた。
ファンレターの相手は開業医をしている中年男性で、玲子のデビュー当時からの熱烈なファンだった。
玲子は迷った…だがもう、それしか方法がなかった…。
後日、意を決した玲子はその男性を呼び出し、
「こんな事お願いするのはアレなんですけど…本当におカネが無くて…大学に行けなくなりそうで…」
自分が置かれている苦しい現状を正直に訴えた。
すると男性は愛人契約を結ぶ事を条件に、大学卒業までの間の学費全額を出す事を約束してくれた。
玲子は半分は仕方なく、もう半分は感謝を込めて…
「あぁっ…!あっ…こんな無理なお願い聞いて頂いて…私、グスンっ…本当に助かります…救われました…感謝しても感謝しきれません…」
男に抱かれた。
玲子は男に対して恋愛感情は無かったもののそこはかとない父性を感じ、男との関わりにそれなりの心地良さを感じていた。
こうして玲子は、アイドル業を続けながら大学へ通う事が叶った。
しかし、男と愛人契約を結んだ2年後の大学2年生の頃の事…
玲子は突然、所属事務所の社長に呼び出された。
「何なのよ…?コレはっ!」
「えっ…?あぁっ…!」
社長は玲子の目の前にスポーツ新聞を叩き付けた。そこには…
『ローカル番組で活躍中の美人レポーター ダンディな開業医に夜の密着レポートか?』
紙面の扱いは小さいものの、そんな見出しと玲子が男のマンションに連れ立って入って行く写真が掲載されていた。
玲子が事実を全て認めると社長は、
「アンタはこうして…2年も私たちを裏切り続けてきたって事なのね…」
「スミマセン…」
落胆を見せるとすぐに契約解除を言い渡し、玲子は芸能界を引退する事となった。
手続きを済ませて事務所を後にしようと玲子に、社長は奥歯にモノが挟まったような様子でこう言った。
「…言おうかどうか迷ったんだけど、その記事…発行元に問い合わせてライターに確認したら…玲子…アンタのお母様が売り込んできたそうよ…」
(どうにかしなくちゃ…)
…気の済んだ母が部屋を出て行くと、玲子はタンスの引き出しからファンレターの束を取り出し、その中のひとつを手に取った。そのファンレターの文末にはメールアドレスとともに『困った事があれば相談に乗らせてください』という一文が書き添えられていた。
ファンレターの相手は開業医をしている中年男性で、玲子のデビュー当時からの熱烈なファンだった。
玲子は迷った…だがもう、それしか方法がなかった…。
後日、意を決した玲子はその男性を呼び出し、
「こんな事お願いするのはアレなんですけど…本当におカネが無くて…大学に行けなくなりそうで…」
自分が置かれている苦しい現状を正直に訴えた。
すると男性は愛人契約を結ぶ事を条件に、大学卒業までの間の学費全額を出す事を約束してくれた。
玲子は半分は仕方なく、もう半分は感謝を込めて…
「あぁっ…!あっ…こんな無理なお願い聞いて頂いて…私、グスンっ…本当に助かります…救われました…感謝しても感謝しきれません…」
男に抱かれた。
玲子は男に対して恋愛感情は無かったもののそこはかとない父性を感じ、男との関わりにそれなりの心地良さを感じていた。
こうして玲子は、アイドル業を続けながら大学へ通う事が叶った。
しかし、男と愛人契約を結んだ2年後の大学2年生の頃の事…
玲子は突然、所属事務所の社長に呼び出された。
「何なのよ…?コレはっ!」
「えっ…?あぁっ…!」
社長は玲子の目の前にスポーツ新聞を叩き付けた。そこには…
『ローカル番組で活躍中の美人レポーター ダンディな開業医に夜の密着レポートか?』
紙面の扱いは小さいものの、そんな見出しと玲子が男のマンションに連れ立って入って行く写真が掲載されていた。
玲子が事実を全て認めると社長は、
「アンタはこうして…2年も私たちを裏切り続けてきたって事なのね…」
「スミマセン…」
落胆を見せるとすぐに契約解除を言い渡し、玲子は芸能界を引退する事となった。
手続きを済ませて事務所を後にしようと玲子に、社長は奥歯にモノが挟まったような様子でこう言った。
「…言おうかどうか迷ったんだけど、その記事…発行元に問い合わせてライターに確認したら…玲子…アンタのお母様が売り込んできたそうよ…」