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純愛ハンター
第10章 裁き10(最終回)、純愛という名のエンターテイメント
「………へっ!?」

そう聞かされた玲子は、ドクンっ…!と全身の血液が逆流するような感覚に見舞われると…腹の底に高熱を発する炉が出来たかのように、半永久的にどんどんと作り出される激しい怒りと憤りが全身を駆け巡った…。

「余計な事だけど玲子…お母様と離れて暮らした方があなたの為には良いように思うけど?」

玲子はそう気遣う社長に深々と一礼すると、母への強烈な殺意を携えながら自宅へ急行した。

(ブっ殺してやるっ…!もう人生どうなったってもイイ…あのクソ女…グチャグチャにしてブっ殺してやるんだっ…!)

そんな決意を秘めて。
しかし…

「えっ…?な、何よっ…?コレ…何があったの…?」

玲子が自宅へ戻ると家の前には何台もの警察車両が停まっており、玄関や窓の周辺はブルーシートで何重にも覆われていた。

「…母は…元婚約者の母親にメッタ刺しにされて殺された…息子の全てを奪った母親に復讐されてね…その時から私の母への激しい復讐心はずっと心の中にくすぶり続けて…私の中で猛毒を生み続けていたんだ…」
「玲子っ…う…ううぅっ…私…私はっ…!」

お嬢は玲子のあまりに無情な運命に翻弄され続けた過去を聞き、涙が止まらなくなっていた。その涙は同情の涙ではなく、ここまで運命に翻弄されながらも自分の手で運命に立ち向かい続け…それどころかお嬢の過去の清算まで考えていたこんな高潔な女を死の淵まで陥れようとしていた事と…もっと早く分かり合えていれば…という後悔の涙だった。
玲子を襲撃した4人もそれぞれ涙にくれ、特に今野は顔を覆って背中で息をするほどに嗚咽が止まらなくなっていた。

「…事務所をクビになって大学も退学させられて、しばらくやさぐれた生活をしてた…でも、私の様子をどこかで聞き付けた元愛人の開業医が手切れ金としてまとまったおカネをくれて…それでやり直そうと思って…私はお嬢のいる大学の編入試験を受けたんだ…」
「ううぅ…グスっ…玲子ぉっ…」
「お嬢…あの頃の私はアンタが眩しかった…政治家の娘って事で孤立しながらも周囲に媚びる事なく毅然として…確固たる自分があって…だから、お嬢の恋人を奪った事に優越感を持っちまったのは事実なんだ…あぁ、私はあのお嬢に勝ったんだ!ってね…ゴメンね、お嬢…」

玲子はお嬢にそう詫びると、目から一筋の涙をこぼした。
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