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純愛ハンター
第10章 裁き10(最終回)、純愛という名のエンターテイメント
「えっ…?」
「な、何だって…?」
「私…たちと…?」
「そ、そんな事…そんな事私…無理ですっ!」

すると10数秒後、監視カメラの赤いランプがチカチカ…と点滅した。
それは“おじさま”からの、OKのサインだった。

(玲子、私は続けるよ…『純愛ハンター』を!純愛の傷に足を取られて前にも後ろにも進めない女性はそこら中にいると思う…だから、そんな女性がちゃんと次に踏み出せるような復讐屋になりたい…!そして、赦す事が復讐の本質だって事を…少しでも多くの女性に分かってもらいたい…!)

お嬢はそう決意すると事務所の照明を落とし、そっとノートパソコンのキーボードに触れた。
するとスピーカーからは、ショッキングかつ過剰にドラマティックなイントロのプログレッシヴロックが流れはじめた。

「いいか、“運命”なんてのはね…来るって分かってから乗っかれるモノじゃないんだ!いきなり取って喰われるように襲いかかってくるものなんだ…!」

お嬢は、聴く者の不安を煽る支離滅裂なギターのフレーズや、1ビート毎に縦横無尽に変化しまくる目まぐるしいリズムに対してクルクル…と身体を軽やかに回転させ、時にはゆったりとしたバレエのようなステップを踏みながら、まるで荒波をスイスイと泳ぐかのように優雅に踊った。
そんなお嬢の様子を、今野たち4人は呆然と見守り続けた。


『純愛ハンター』おしまい。


~エピローグ~

…黒いスカートスーツに身を包んだ女が、カツッ…!コツッ…!と高らかにヒールの音を響かせながら気の遠くなるような長い廊下を軽やかに歩き切ると、その最奥にある鉄製の自動ドアの前で立ち止った。
すると、自動ドアは全く物音を立てずに滑らかに開かれた。

「“おじさま”…ご無沙汰しております」

そして、まるでSF映画の宇宙船のように膨大な数のモニターと機械類に囲まれた薄暗い部屋の中央の大きな椅子に深々と座る、初老の白人男性の背中にそう声を掛けた。

「あぁ、入りなさい…」

白人男性は椅子を回転させて女に振り向くと、やや英語訛りのある日本語でそう答えた。
女が男性の目前まで歩み寄ると、その両側に立つ身長はゆうに190cmは超えるであろう黒スーツ姿の屈強な男たちがサっ…と女に敬礼をした。
薄暗い室内とモニターの明かりの逆光で、男性の顔には濃い影がかかっていた。
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