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純愛ハンター
第1章 裁き1、中出し野郎に愛のフタを
テーブルの上には【~純愛ハンター~完全無料!純愛を踏みにじったクズ男にしかるべき復讐を!】と、クセのあるアーティスティックな毛筆で書かれたチラシが置かれていた。

「あっ!う…ヤバっ…」

女性は息苦しさを感じると、慣れた手付きで『広瀬好海 様』と書かれた処方薬の袋から錠剤を取り出し、ペットボトルのお茶で流し込んだ。

「はぁっ…絶対に許さない…私をこんな風にしたアイツを…絶対…」

女性はそう呟くと、力を込めてメールの送信ボタンをタップした。
すると数10分後、

『広瀬好海様 ご依頼の件了解しました。明日、事務所開きとなりますのでご都合の良い日時に事務所へお伺い下さい』

そんな返信が届いた。
女性は畳に寝転がりながら返信メールをじっと眺めた。

「…ついにアダ討ち屋に依頼しちゃった…でも、アイツが悪いんだ…どんな事になっても仕方ないよね」

そう呟くと、女性は這って万年床の中へ潜り込んだ…。


「わあぁっ…!お2人ともすごい美人っ…芸能人みたぁいっ…!」

翌日の正午過ぎ。白のパーカーにジーンズというラフな身なりで『純愛ハンター』の事務所を訪れた広瀬好海(23)は、玲子とお嬢を見るなりハイテンションでそうはしゃいだ。

「ふっ、美人だって!そういやアンタ、昔っから男の取り巻き従えてたもんねぇ?」

玲子はお嬢に意地悪そうに言った。

「そんなの…昔の事です…」

お嬢は困惑した表情でそう返すと、玲子はフンと鼻で笑った。

「取り巻きがいたなんてスゴぉい!お2人って昔からの大親友みたいな感じなんですかぁ…?私、あんまり親しい女友達いないから羨ましいなぁ…」

どこか危ういテンションの広瀬が、そうさらに突っ込んだ。

「大親友だって…!どうなのぉ?お嬢的にはさぁ?」
「…」
「あはは!黙っちゃったよ…ま、学生時代からの腐れ縁ってとこかしら?」
「学生時代からの?やっぱりキレイな人同士って仲良くなるもんなんですね…でも、ええと…何ていうか…その…」
「…こんな女性専用のアダ討ち屋をやってる女なんて、男に縁のなさそうなとんでもないブスが出てくるんじゃないかって思ってた?」
「ちょっとだけ思ってました…スイマセン…」
「あはっ!イイのよ…あなた正直で気に入ったわ!どうぞソコ座って」

玲子は広瀬をソファに座らせると、向かい合うようにデスクのヘリに腰を寄り掛けた。
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