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純愛ハンター
第5章 裁き5、愛しい人よ
「や、やっぱり…どおりでメッチャ美人なはずよねぇ…」

お嬢は口の中がカラカラに乾く程の緊張を覚え、そう答えるのが精一杯だった。

「でもあなたもスゴく可愛いわよぉ!」
「そっ…そんなっ…私なんて…あなたに比べたら…」

まるで丸子のように萎縮しきった言葉が自らの口から飛び出した事に、お嬢は顔から火が出るような気恥ずかしさを覚えた。
その新入生は玲子といった。
玲子は家庭の事情で他の大学を2年間休学してから編入して来たため、お嬢より2つほど年上だった。学内で浮いていた者同士という事もあり、お嬢と玲子はすぐに仲良くなった。
お嬢は玲子の“魂の形”がどことなく父に似ていると思え、初対面の緊張とは裏腹にあっという間に打ち解けた。

(こういうのを『ソウルメイト』って言うのかな…?)

玲子は、お嬢にとって初めて出来た女友達だった。

「ねぇ?マズいでしょう?ココのカレー」
「うん…めっちゃマズい…」
「…って言いながらものすごい勢いで食べてない?」
「だってぇ…こんなマズいものが世の中にあるなんて新鮮で…あぁ、本当にマズい!」
「あはは!マズいって言いながら美味しそうに食べてるなんて…ホント緑って変な子!」
「ふふっ…あははっ!」

お嬢は要人である父の立場の関係で、義務教育まで毎日車で学校の送り迎えをされていた事と、小等部の頃から陰で「お嬢」と呼ばれて孤立していた事もあり、普通の大学生なら知っているような一般知識が著しく欠けていた。
玲子はそんな世間知らずなお嬢を、大学近くの安いカフェや場末のライブハウスやクラブによく連れ出してくれた。外食といえば父の付き添いで行った立食パーティや、格式張った割烹や高級レストランしか知らなかったお嬢には、玲子が連れて行ってくれる汚くてガラの悪い店はキラキラして刺激的な場所に映った。
また、街でスケベ心丸出しで声をかけてきた男たちに食事だけ奢らせて逃げたり、街でスカウトカメラマンに声をかけられて2人揃ってファッション誌に載った事もあった。
丸子とも順調に交際を続けていたお嬢にとって、大好きな彼氏と大切な親友が同時に存在する事などこれまで想像も出来なかった煌びやかな非現実であり…
こんな最高の日々がずっと続くであろう事に心から感謝し、お嬢はこういう日々が“青春”なんだと噛み締めていた。
しかし、そんなお嬢の青春の日々は長くは続かなかった…。
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