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純愛ハンター
第5章 裁き5、愛しい人よ
自宅に戻ったお嬢は自分の部屋に飛び込むと、絶叫とともに血の涙を流し…
…てしまうと思ったが、お嬢自身不思議に感じるほど心は静まり返っていたのだ。
だが、何の情緒も無いという訳ではなかった。
慟哭や激情よりもっと恐ろしい感情が…静かにお嬢の心の中に地下水のように満たされている事を自覚した。
この日青春を失ったお嬢は、小等部時代から父親の権力に群がる大人の息子たちという“取り巻き”がいた事を思い出すと…

「…もしもし?」

思わずその1人に電話をかけていた。
その声色は、お嬢が愛情も友情も青春も知らなかった頃の無味乾燥なものにすっかり戻っていた………。


…お嬢はボロボロと涙を流しながら『龍宮城』の監視カメラを睨み付けると、

「私があの時…玲子を徹底的に虐め抜いたのは事実だけど…でも、殺されるほどの事はしてないもんっ…!嫌だぁ!死にたくないっ…!あの時は玲子だって悪いんじゃない…いやっ、そもそも玲子が悪いんじゃないかぁっ…!」

玲子に監視カメラ越しにそう喰ってかかった。

「あはははっ!どうしたお嬢さま…言葉遣いが良くないねぇ?でも、迫真のイイ映像が撮れたよ…“おじさま”もさぞ喜ばれるわ…」

玲子は茶化す様にそう返した。

「な、何もかもぶちまけてやるっ!四ツ倉たちを殺した証拠を持って警察やメディアに『純愛ハンター』の事をタレ込んでやる…!もし警察やメディアが取り合わなくっても私が暴走したら“おじさま”だって抑え切れない事になるかもよ!そしたら玲子…アンタだって破滅なんだからね…!」
「ま、好きにすればイイさ…アンタがヤケを起こしたところで先に“おじさま”に始末される方が早いとは思うけどねぇ?」

お嬢は顔をクシャクシャに歪め、

「うっ…!ううっ…うわぁぁぁ~ん!何でっ…何で私がこんな目に遭わなくちゃならないのぉ…?私だって色々あったのに…辛かったのに!元はと言えば玲子のせいなのに…!私を追い込んで…私に虐めさせたアンタが悪いんじゃんかぁ!」

胸に包丁が突き刺さって動かなくなった四ツ倉の身体の横にへたり込み、子供のようにわんわんと泣き崩れた。

「…こんな世の中メチャクチャになってしまえばイイんだぁぁぁ~っ!」

だが、お嬢はしばし号泣して落ち着きを取り戻すと…
涙声ながら力強く玲子にとくとくと『純愛ハンター』に関する疑問を語りはじめた…。
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