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るりいろ(MILK &honey後日談)
第3章 分かりたい
「え……」
「二人でどっか行かねぇのか?」
「なんで知ってんのっ、るりがバイクの免許取ったって!?」
そりゃ、姫ちゃんは知ってただろう。るりと一緒に通ってたんだし。
でも、朔に知られてなくても良くない?!
るりが危ねー教習受けてる間、俺はなんにも知らなくて、朔は知ってたって事?!
……ショック二倍……。
「妃愛乃が喋った訳じゃねぇぞ?」
「へ」
ショック受け過ぎて見た目に出てたのか、朔がさらっと言い訳した。
「一生懸命、内緒にしてたからな。けど、毎回ウチに新品のメット持って帰って大事そうにこそこそ仕舞ってんだぞ?誰のかは聞かなかったし言われなかったが、妃愛乃は車しか取ってねぇんだ。その上、お前がバイク持ってんだから……誰のメットか、バレバレだろうが」
「……あ……そか……」
二輪教習には、ヘルメット持参が原則だ。貸してくれる所も有るけど、るりは、自分のを買ったんだろう。で、俺にバレない様に、姫ちゃんに預けた……と。
ショックが一転して、ほっとした。るりが誰かの……どっかの男の使ったメットなんか借りてたら、俺、卒倒しちゃう……。
だって、教習所のメットなんか借りてたら、前にそいつを使った奴と、「間接おでここつん」とか、「間接同じ空気吸う」とかになっちゃうじゃねーか!!
それを避けられたなぁ、喜ばしい。
……けど!
「体が憶えてるうちに、早めに運転させとかねぇとだよなあ」
俺の葛藤に全然気付かず、世間話とか心配とかを装ったノロケは続いてる。
「あいつにいきなり都内走らせんのは怖ぇから、どっか田舎に連れてこうかと……どうした?!」
惚気られる相手が限られるから、朔は姫ちゃんとの事を、同じ立場……だと思ってる俺に、二人だけの時にちょくちょく言って来る。
いつもみてーに目元辺りは不機嫌そうにしている癖に、話してる間に口元がゆっるゆるになってく朔を見ていたら、逆に俺のどんよりはどんどん加速した。