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るりいろ(MILK &honey後日談)
第3章 分かりたい
「……ざぐぅうう……」
「あ?……おい?!お前、泣いてんのか?!」
「……おで無理っ……」
「馬鹿、泣くな!!化粧落ちるぞ!!」
涙が滲んで鼻をすすり始めた俺に焦った朔が、ハンカチを渡してくれた。そこはかとなく、可愛さ漂うハンカチ。一見地味なチェック柄だけど、よくよく見たらクマクマクッマの柄だった。
……これ、誰の趣味?
「俺……るりの免許見てからずっと、るりとほとんど口利いてねー……」
「はあ?!何が有ったんだ?!」
一旦治まった鼻が、またぐずぐず言い始める。
「……なんでバイグの免許なんが取っだんだっで、いっぢゃっだ……」
鼻が詰まって来た俺を見て、ポケットティッシュまで渡された。
「おら、こいつで鼻もかめ。……何でまたんな事言ったんだ」
クマクマクッマで涙を押さえ、歌姫に似つかわしくねー爆音を立てて鼻をかみ、俺は朔に訴えた。
「だって、バイクは、事故るもん……!!」
「あ?事故ると決まった訳じゃねーだろ」
「決まってねーけど、四輪よりゃあ遥かに危ねーじゃん!!」
訝しげに眉を顰めてる朔に、八つ当たり半分で噛み付いた……朔が悪ぃ訳じゃあねーのに。
「俺のせいで、免許まで取っちゃって……もしるりがバイク乗って怪我したら……怪我なんかさせちゃったら、俺、どうしていいか、分かんねーよ……!」
「……光……」
朔が、痛ましそうに俺の名を呼んだ。