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るりいろ(MILK &honey後日談)
第4章 るりいろ
「え、えっ?なにっ」
「……バンダナよりも、」
るりは俺のバンダナを外し、自分のスカーフを外して、取り替えて俺の襟元にスカーフを巻いた。
「こっちの方が大きいし、シルクだからあったかいと思う……寒色系だから、光がしてても変じゃないよ?」
くるっと一周じゃなくって、前から後ろに回してまた前に持ってきて結ぼうとしてる……けど、その間ずっと体が密着…………ぐぼっ……。
「出来た!あったかい?」
「……ありがと……のぼせそーな位あったけー……」
それを聞いたるりは、俺のバンダナを襟元に結びながら、くすくす笑った。どうやったんだか分かんねーけど、風が入りにくそうなのに女の子らしい、不思議な結び方になっている。可愛い……俺がてきとーに結んでたのと同じもんにゃあ思えねー……。
密着が終わっても襟元からほんのり香るるりの匂いと、目の前でにこにこしてるるり……ほんとのぼせそう……
「あ。そうだ」
「へ?」
るりはもう一回密着して手を伸ばして俺の襟元をちょいちょいと引っ張ると、顎までかかる様に伸ばしてくれ…………ぐはっ……。
「これだと口元の方までスカーフがかかるから、冷たい風が入りにくいと思う!」
「……そだね……ありがとね……」
口元までかかられると、るりの匂いがほんのりどころか大挙して押し寄せて来る。
……ヤバい……幸せ過ぎる…………
……はっ。
いけねー。このままじゃあいつまで経っても出発出来ねー。
「荷物、重くねえ?」
意識をスカーフから無理矢理離した。
二人乗りすると、荷物はバイクにくくりつけるか、後ろの奴が背負うしか無い。今日はるりがリュックを背負ってくれてる。泊まりとかじゃなく行って帰ってくるだけだから、ほとんど荷物は無いけども。
「平気」
「……じゃ、とりあえず行きますか」
「うん!よろしくお願いします」
「こちらこそ」
二人ともメットの分だけ頭がデカくなっているから、お辞儀しあうとぶつかりそうになる。
コツ、と軽く触ったところでそれに気付いて、二人で顔を見合わせて笑った。