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復讐の味は甘い果実に似て
第6章 絶望へのいざない ~ひかるの告白~

もう、わたしはこういうことを平気で言ってくる恵梨の無責任さが許せなかった。
「そうやって、恵梨みたいに、いつも自分のやったことから逃げ回って、見たくないものから目を背けて生きていけたら幸せだよね。あたしは、あなたがついた嘘のせいで、今日は、処女まで捧げなきゃなんないのに。」
とうとう、あたしは恵梨に向けて、自分が処女であることを言ってしまった。
「そんな……嘘! 嘘でしょ!」
あたしの言葉に唖然としたまま、恵梨が戸口を開けて出てきた。
「……本当だよ。だけど、もう覚悟はしてる。だから、あたしは恵梨が逃げるなんて許さない。」
あたしは恵梨をじっと睨みつけたまま、言った。
恵梨に対して臆さずにものを言ったのは、これが初めてかもしれない。
「恵梨はまだ、先輩のことが好きだよね? もう先輩のことはどうでもいいっていうなら、ここに居ていいよ。それなら復讐なんか意味がないから。」
そして、あたしは涙を浮かべる恵梨の肩を掴んだ。
「……先輩はね、恵梨のことを吹っ切るために復讐をしてるんだよ。そのことを恵梨はわかってる? まだ、先輩のことを好きなら、逃げてないで先輩の復讐を受け止めてあげて。」
「……わたしはもう、明日香で十分苦しんだじゃない! なんで、みんなこんなことを続けるのよ!」
そういうと、恵梨は泣きながら、あたしにすがりついてきた。
……わたしはもう十分に苦しんだ?
だから許して?
ふざけんな、と思った。
いつもそう。何で、この女は常に自分中心でしか、ものを考えられないのだろう。
あたしのなかで積もり積もってきた恵梨に対する憤りが、ついに弾けた。
あたしは恵梨を振り払うと、自分でもぞっとするくらいの冷酷な声で言った。
「……何で復讐を続けるのかって? あなたが絶望しないからよ。あなたはまだ、絶望から逃げようとしているもの。あなたの涙が枯れるほど絶望しない限り、復讐は終わらないよ。先輩に抱かれるあたしを見て、身悶えするくらい嫉妬して。そして……あたしが、あなたに同情するくらい、絶望して。」
恵梨は脅えた顔であたしを見あげて、観念したようにその場にへたり込んだ。
「そうやって、恵梨みたいに、いつも自分のやったことから逃げ回って、見たくないものから目を背けて生きていけたら幸せだよね。あたしは、あなたがついた嘘のせいで、今日は、処女まで捧げなきゃなんないのに。」
とうとう、あたしは恵梨に向けて、自分が処女であることを言ってしまった。
「そんな……嘘! 嘘でしょ!」
あたしの言葉に唖然としたまま、恵梨が戸口を開けて出てきた。
「……本当だよ。だけど、もう覚悟はしてる。だから、あたしは恵梨が逃げるなんて許さない。」
あたしは恵梨をじっと睨みつけたまま、言った。
恵梨に対して臆さずにものを言ったのは、これが初めてかもしれない。
「恵梨はまだ、先輩のことが好きだよね? もう先輩のことはどうでもいいっていうなら、ここに居ていいよ。それなら復讐なんか意味がないから。」
そして、あたしは涙を浮かべる恵梨の肩を掴んだ。
「……先輩はね、恵梨のことを吹っ切るために復讐をしてるんだよ。そのことを恵梨はわかってる? まだ、先輩のことを好きなら、逃げてないで先輩の復讐を受け止めてあげて。」
「……わたしはもう、明日香で十分苦しんだじゃない! なんで、みんなこんなことを続けるのよ!」
そういうと、恵梨は泣きながら、あたしにすがりついてきた。
……わたしはもう十分に苦しんだ?
だから許して?
ふざけんな、と思った。
いつもそう。何で、この女は常に自分中心でしか、ものを考えられないのだろう。
あたしのなかで積もり積もってきた恵梨に対する憤りが、ついに弾けた。
あたしは恵梨を振り払うと、自分でもぞっとするくらいの冷酷な声で言った。
「……何で復讐を続けるのかって? あなたが絶望しないからよ。あなたはまだ、絶望から逃げようとしているもの。あなたの涙が枯れるほど絶望しない限り、復讐は終わらないよ。先輩に抱かれるあたしを見て、身悶えするくらい嫉妬して。そして……あたしが、あなたに同情するくらい、絶望して。」
恵梨は脅えた顔であたしを見あげて、観念したようにその場にへたり込んだ。

