この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~
しかし、その夢のような時間はまた、1カ月で終わり、9月の半ばには、俊ちゃんは婚約資金を貯めるために、指導教授の仕事を手伝うようになった。
俊ちゃんは、再び研究室に籠るようになっていた。
今度は深夜にしか帰ってこなくなり、時には泊りがけで帰ってこない日もあったりして、会える日は極端に少なくなっていった。
俊ちゃんからは毎日来てもらうのは悪いから、と会える時に連絡をくれるようになった。
前は、通い妻のようになっていたわたしも、さすがに深夜に訪ねていくのは気が引けて、普通に自分の部屋での生活に戻るようになっていた。
もちろん、俊ちゃんは、わたしのことを想ってくれてのことで、そのこと自体はうれしいけれども、わたしの寂しさは募っていった。正直、わたしのなかにそこまでしなくても、という気持ちもあった。
そして、わたしの心のわずかの隙間に入り込むように、本間が現れた。
今さら何を言おうが、拒絶しなかったからには言い訳にすぎないと言われれば、その通りだが、結局、わたしはズブズブと本間との関係を続けてしまった。
俊ちゃんは、再び研究室に籠るようになっていた。
今度は深夜にしか帰ってこなくなり、時には泊りがけで帰ってこない日もあったりして、会える日は極端に少なくなっていった。
俊ちゃんからは毎日来てもらうのは悪いから、と会える時に連絡をくれるようになった。
前は、通い妻のようになっていたわたしも、さすがに深夜に訪ねていくのは気が引けて、普通に自分の部屋での生活に戻るようになっていた。
もちろん、俊ちゃんは、わたしのことを想ってくれてのことで、そのこと自体はうれしいけれども、わたしの寂しさは募っていった。正直、わたしのなかにそこまでしなくても、という気持ちもあった。
そして、わたしの心のわずかの隙間に入り込むように、本間が現れた。
今さら何を言おうが、拒絶しなかったからには言い訳にすぎないと言われれば、その通りだが、結局、わたしはズブズブと本間との関係を続けてしまった。