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復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~

俊ちゃんが、わたしの裏切りを知ってしまったあの夜から、わたしはひたすら俊ちゃんに連絡を取ろうとしていたが、全ては無視されていた。
幾度も俊ちゃんに電話を入れ、赦しを請うメールを入れ、俊ちゃんの部屋の前で待ち伏せしたが、それでも、俊ちゃんからは何の答えもなかった。
だけど、わたしは俊ちゃんを失うわけにはいかなかった。
浮気しておいて、今さら都合のいいことを言うな、と言われるのはわかっている。
でも、俊ちゃんはわたしにとって、なくてはならない人だった。
わたしは俊ちゃんの声を聞き、笑顔を見て、肌の温かみを感じていなければ、まともに生活できなくなってしまうだろう。
それは、まるで水をやらない花が枯れてしまうように。
俊ちゃんがわたしに会ってくれない以上、手段は一つしかなかった。
わたしに都合のいい話をでっちあげて、第三者に仲介させることだ。
もちろん、明日香をだますことに、呵責がなかったわけではない。
だが、それ以上に、わたしは俊ちゃんを失うわけにはいかなかったのだ。
俊ちゃんがいなくなれば、わたしは前の無価値な自分に戻ってしまう。
誰かに愛されるという喜びも知らず、ただ、男の子に体を弄ばれる人形のような女に。
もう、それだけは嫌だった。
幾度も俊ちゃんに電話を入れ、赦しを請うメールを入れ、俊ちゃんの部屋の前で待ち伏せしたが、それでも、俊ちゃんからは何の答えもなかった。
だけど、わたしは俊ちゃんを失うわけにはいかなかった。
浮気しておいて、今さら都合のいいことを言うな、と言われるのはわかっている。
でも、俊ちゃんはわたしにとって、なくてはならない人だった。
わたしは俊ちゃんの声を聞き、笑顔を見て、肌の温かみを感じていなければ、まともに生活できなくなってしまうだろう。
それは、まるで水をやらない花が枯れてしまうように。
俊ちゃんがわたしに会ってくれない以上、手段は一つしかなかった。
わたしに都合のいい話をでっちあげて、第三者に仲介させることだ。
もちろん、明日香をだますことに、呵責がなかったわけではない。
だが、それ以上に、わたしは俊ちゃんを失うわけにはいかなかったのだ。
俊ちゃんがいなくなれば、わたしは前の無価値な自分に戻ってしまう。
誰かに愛されるという喜びも知らず、ただ、男の子に体を弄ばれる人形のような女に。
もう、それだけは嫌だった。

