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復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~
 わたしが適当に感じたふりをして、抽送を盛り上げてやると、男はあっさりと射精した。
 最初から最後まで、こっちが死にたくなるほど、独りよがりなセックスだった。
「どう、気持ちよかったでしょ?」
 男が耳元で、わたしにささやいてきた。

 だけど、さすがにわたしも限界だった。わたしは男に背を向けて言った。
「……下手すぎて、話になんないよ、あんた。」
 えっ、と男が驚いて、わたしの顔を見る。
「この程度で、よく、あれだけ吹いたもんね。絶対イカせるとか笑わせるわ。こんなんでイクとか、どこの女よ、それ?」
 な、何を……と言いかけて、男の顔が醜く歪んだ。

「あんたさ、もう帰っていいよ。わたし、今から、別な男を何人か、ここに呼ぶから。別に見たいなら見せてあげるけどさ。」
 そういうと、わたしは備え付けの冷蔵庫から、一番強そうな酒を出して1/5ほどを一気にあおった。そのままバスルームに入り、呂律の怪しい口ぶりで、合コンサークルの幹事に電話をかける。

「ねえ、幹事さーん。そっち、まだ飲んでるう?」
「あ、水瀬さん? そろそろ、2次会が終わるとこ。」

「……じゃあさあ、そっちで、女の子をお持ち帰りできなかった子っているのお?」
「そんなの、いっぱいいるよ。幹事の俺が、あぶれ組の2次会に付き合ってんだもん。」

「……それじゃあ、可哀想な寂しい男の子たちに、お姉さんが筆おろししたげるから、コンドーム買って、クレッセントっていうホテルの301って部屋においで、って伝えてあげて。それと、他大の1年生の童貞君限定ね。」
「……酔ってんの? 水瀬さん?」
「うん、酔ってるよお。30分以内にこないと、お姉さん帰っちゃうよお。それじゃ。」

 そう言ってわたしは電話を切り、体にシャワーのお湯を当てた。
 そして、酒のせいで少しばかりとろんとした頭で、わたしは鏡に映る自分を見た。
 
 バカみたいだ。
 こんなことをして、俊ちゃんのことを諦めようなんて。
 しかし、クズなはずのあの男は、わたしを自己嫌悪にさえ、堕としてくれなかった。
 
 もっと、わたしは堕ちないといけないのだ。
 自分はどうしようもないビッチで、裏切者のクズだ、と思わないといけないのだ。
 
 そうしないと、わたしは、俊ちゃんを、愛している人を諦めることができない。

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