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復讐の味は甘い果実に似て
第9章 さよならという儀式 ~ひかるの告白~
 あたしたちはコテージの管理棟で鍵を受け取ると、そのまま、自分たちの棟へ向かった。
 平日の温泉街は、人もまばらで、あたしたちのコテージも、灯りが付いている棟は少なかった。
 コテージからは、直接、砂浜に降りられるようになっていたり、寝室や居間と直接繋がっている個室の露天風呂があったりと、至れり尽くせりだ。
 復讐の日のセミスイートと言い、今回と言い、ラブホテルとかでお手軽に済まさないで、きちんと考えてくるのが先輩らしかった。

 部屋に荷物を置くと、あたしたちは先輩に食事に招ばれた。
 また、食卓に、あたしたち4人の微妙な空気が流れ出す。

 イセエビのビスクやら、甘鯛のポワレやら、滅多に食べられないはずの美味しいものがテーブルに運ばれてくるのだが、明らかに美味しそうに食べられる空気ではない。
 あたしたち4人は、まるで囚人の食事のごとく、黙々と自分の目の前の皿を平らげると、そのままろくな会話もなく、部屋に戻った。

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