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復讐の味は甘い果実に似て
第9章 さよならという儀式 ~ひかるの告白~

「ここまででいいよ。みんなによろしく。」
コテージからの小路が、海岸通りに合流したところで、先輩はあたしに言った。
あたしは何か言おうとして、必死に言葉を考えたが、結局あたしの口から出てきたのは、実にどうでもいい励ましの言葉だった。
「あの、先輩も……4月から……お仕事、がんばってください。」
あたしの言葉に先輩は手を振ると、そのまま、海岸通りを駅の方へと歩いて行った。
遠ざかっていく先輩の後ろ姿を見ながら、ひたすらあたしは自分を責めていた。
ああ、なぜ、あたしはこんなに馬鹿なのだろう。
最後まで、自分の心ひとつも整理できないなんて。
あれほど熱く肌を重ね合わせて、激しく求めあっていながら、何一つ、答えを出すことができないなんて。
眼に涙がにじみ、あたしは海を見ながら、こぼれそうになる涙をこらえていた。
コテージからの小路が、海岸通りに合流したところで、先輩はあたしに言った。
あたしは何か言おうとして、必死に言葉を考えたが、結局あたしの口から出てきたのは、実にどうでもいい励ましの言葉だった。
「あの、先輩も……4月から……お仕事、がんばってください。」
あたしの言葉に先輩は手を振ると、そのまま、海岸通りを駅の方へと歩いて行った。
遠ざかっていく先輩の後ろ姿を見ながら、ひたすらあたしは自分を責めていた。
ああ、なぜ、あたしはこんなに馬鹿なのだろう。
最後まで、自分の心ひとつも整理できないなんて。
あれほど熱く肌を重ね合わせて、激しく求めあっていながら、何一つ、答えを出すことができないなんて。
眼に涙がにじみ、あたしは海を見ながら、こぼれそうになる涙をこらえていた。

