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復讐の味は甘い果実に似て
第3章 復讐への階段 ~明日香の告白~

「ねえ、ひかるはどうするの?」
わたしは隣でうつむいているひかるに声をかけた。
「……あたし、やる。」
ひかるは迷いなく答えた。
思わず、わたしは自分の耳を疑った。
「ちょ、ちょっと、本気で言ってんの? だって、ひかるは……」
「もう決めたから。今日にでも、その産婦人科へ行く。」
わたしはひかるが何故、こうもあっさりと決断したのかを測りかねていた。
サークルのなかでは、わたしくらいしか知らないが、ひかるは処女なのだ。
こんなことでロストバージンなどありえない。
「……あたし、恵梨が許せないよ。あたしたちをだましておいて謝りもしないで、へらへらしてさ。」
たしかにあの日から今日で5日になるが、未だに恵梨からわたしたちへの謝罪はない。
学校には来て普通に過ごしているみたいだが、わたしたちを避けているようだった。
「そりゃ、わたしも恵梨にはムカついてるけど、それとこれとは……」
「あたし、もう我慢できなくて、今朝、恵梨に言ったの。人を平気でだましておいて、未だに詫びのひとつもないなんて、どういうことなの、って。そしたら、あいつ、なんて言ったと思う?」
そう言って、ひかるは悔しそうに目を潤ませた。
「そんなに怒られるようなことじゃないよ。本間くんとはただの遊びだし、俊ちゃんの頭が冷えれば、許してもらえるから。俊ちゃんは復讐なんてできる人じゃないから大丈夫だよ。ひかるはあんまり恋愛とか興味ないみたいだから、わかんないだけ……って。」
わたしは恵梨のあまりの言い草に怒りを覚えた。
わたしがその場にいたら、確実に恵梨の頬を張り飛ばしていたに違いない。
見通しも甘ければ、反省の欠片もないじゃないか。
「ねえ、明日香、恋愛経験ないのがそんなにいけないことなの? 少なくてもあたしは恵梨よりずっと誠実に生きてるよ? なんで、恵梨にそんなことを言われなきゃいけないの?」
そして、また、ひかるは目に涙を浮かべた。
わたしは隣でうつむいているひかるに声をかけた。
「……あたし、やる。」
ひかるは迷いなく答えた。
思わず、わたしは自分の耳を疑った。
「ちょ、ちょっと、本気で言ってんの? だって、ひかるは……」
「もう決めたから。今日にでも、その産婦人科へ行く。」
わたしはひかるが何故、こうもあっさりと決断したのかを測りかねていた。
サークルのなかでは、わたしくらいしか知らないが、ひかるは処女なのだ。
こんなことでロストバージンなどありえない。
「……あたし、恵梨が許せないよ。あたしたちをだましておいて謝りもしないで、へらへらしてさ。」
たしかにあの日から今日で5日になるが、未だに恵梨からわたしたちへの謝罪はない。
学校には来て普通に過ごしているみたいだが、わたしたちを避けているようだった。
「そりゃ、わたしも恵梨にはムカついてるけど、それとこれとは……」
「あたし、もう我慢できなくて、今朝、恵梨に言ったの。人を平気でだましておいて、未だに詫びのひとつもないなんて、どういうことなの、って。そしたら、あいつ、なんて言ったと思う?」
そう言って、ひかるは悔しそうに目を潤ませた。
「そんなに怒られるようなことじゃないよ。本間くんとはただの遊びだし、俊ちゃんの頭が冷えれば、許してもらえるから。俊ちゃんは復讐なんてできる人じゃないから大丈夫だよ。ひかるはあんまり恋愛とか興味ないみたいだから、わかんないだけ……って。」
わたしは恵梨のあまりの言い草に怒りを覚えた。
わたしがその場にいたら、確実に恵梨の頬を張り飛ばしていたに違いない。
見通しも甘ければ、反省の欠片もないじゃないか。
「ねえ、明日香、恋愛経験ないのがそんなにいけないことなの? 少なくてもあたしは恵梨よりずっと誠実に生きてるよ? なんで、恵梨にそんなことを言われなきゃいけないの?」
そして、また、ひかるは目に涙を浮かべた。

