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復讐の味は甘い果実に似て
第3章 復讐への階段 ~明日香の告白~

翌日、わたしと浩二は、例のカフェの2階に先輩を呼び出した。
先輩が来る前から俯いて何も話せないわたしと違い、浩二は闘志満々だった。
「何か用ですか。込み入った話でもなければ、この店にはあまり来たくないんだけど。」
開口一番、冷静な声で、先輩はわたしたちに聞いてくる。
「申し訳ないですが、大変に込み入った話だと思います。あんたが明日香を使ってやろうとしていることは。」
いきなり喧嘩を売るように浩二が先輩にたたみかけた。
「単刀直入に言わせてもらいますけど、あんた、頭がどうかしてんじゃないですか? いったい何を考えてんだよ!」
「……元彼女への復讐です。それも、もっとも効果的な。」
浩二の怒声に、冷酷、とさえ思える声で先輩が返す。
「あんたの言う、もっとも効果的な復讐が、明日香との中出しセックスかよ!」
「そうです。僕は、恵梨の目の前で平河さんと避妊せずにセックスします。それがどれだけ恵梨に嫉妬と絶望をもたらすかを考えれば、効果の大きさはいうまでもないと思いますが。」
「避妊もせずにセックスとか、あんた、正気なのか?」
「……アフターピルは、僕の方で提供します。平河さんの方で避妊の意思があるなら、事後にそれを飲めばいい。」
実際には低用量ピルを飲んでいるのだが、やはり、先輩はそのことを漏らさない。
もっとも、ピルを飲んでいようがいまいが、浩二がこんな話を認めるわけがないのだが。
「だいたい、復讐ってなんだよ? 空しいと思わないの? 全然、建設的じゃないでしょ。」
「……僕がしようとしてるのは、建設ではなく破壊です。それも徹底的な。破壊しつくして、僕の周りが瓦礫の山になれば、僕は空しくなるでしょう。ですが、空しくなれば、僕は前に進めます。新しく何かを作ろう、という気にもなるでしょう。ですから、僕は、空しくなるために、徹底的に復讐をするんです。」
「要するにやけくそってことじゃないか、それ。」
「……どう呼ぶかは、あなたの自由です。好きなように言えばいい。」
浩二の嫌味な言葉にも、先輩はクールな態度を崩さない。
先輩のあまりの冷静さに、浩二が少しばかり鼻白んだように見えた。
先輩が来る前から俯いて何も話せないわたしと違い、浩二は闘志満々だった。
「何か用ですか。込み入った話でもなければ、この店にはあまり来たくないんだけど。」
開口一番、冷静な声で、先輩はわたしたちに聞いてくる。
「申し訳ないですが、大変に込み入った話だと思います。あんたが明日香を使ってやろうとしていることは。」
いきなり喧嘩を売るように浩二が先輩にたたみかけた。
「単刀直入に言わせてもらいますけど、あんた、頭がどうかしてんじゃないですか? いったい何を考えてんだよ!」
「……元彼女への復讐です。それも、もっとも効果的な。」
浩二の怒声に、冷酷、とさえ思える声で先輩が返す。
「あんたの言う、もっとも効果的な復讐が、明日香との中出しセックスかよ!」
「そうです。僕は、恵梨の目の前で平河さんと避妊せずにセックスします。それがどれだけ恵梨に嫉妬と絶望をもたらすかを考えれば、効果の大きさはいうまでもないと思いますが。」
「避妊もせずにセックスとか、あんた、正気なのか?」
「……アフターピルは、僕の方で提供します。平河さんの方で避妊の意思があるなら、事後にそれを飲めばいい。」
実際には低用量ピルを飲んでいるのだが、やはり、先輩はそのことを漏らさない。
もっとも、ピルを飲んでいようがいまいが、浩二がこんな話を認めるわけがないのだが。
「だいたい、復讐ってなんだよ? 空しいと思わないの? 全然、建設的じゃないでしょ。」
「……僕がしようとしてるのは、建設ではなく破壊です。それも徹底的な。破壊しつくして、僕の周りが瓦礫の山になれば、僕は空しくなるでしょう。ですが、空しくなれば、僕は前に進めます。新しく何かを作ろう、という気にもなるでしょう。ですから、僕は、空しくなるために、徹底的に復讐をするんです。」
「要するにやけくそってことじゃないか、それ。」
「……どう呼ぶかは、あなたの自由です。好きなように言えばいい。」
浩二の嫌味な言葉にも、先輩はクールな態度を崩さない。
先輩のあまりの冷静さに、浩二が少しばかり鼻白んだように見えた。

