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復讐の味は甘い果実に似て
第4章 背徳のなかで ~明日香の告白~
そして、ほぼ時間ちょうどに、わたしと恵梨は指定のセミスイートルームに到着した。
すでに先輩はベッドルームの隣の部屋で、ルームサービスらしき高そうなサンドイッチを食べていた。
浩二やわたしなど、ホテルと言えば、3時間5000円のラブホテルがせいぜいで、それすらもケチって、お互いの部屋でセックスせざるを得ないというのに豪儀なことだ。
もっとも、先輩は恵梨との結婚を前提に貯めていた資金をこの復讐に投じているわけで、その使途に外野のわたしなんかがとやかくいう権利はない。
「それじゃ、1時間後に始めようと思う。それまで飯を食うなり、シャワーを浴びるなり、好きにしてくれ。」
相変わらずの冷静な声で、先輩がわたしに告げた。
「……あの、やるんならさっさと始めませんか。当事者が揃っているのに、引き延ばしてもしかたないと思うんですけど。」
わたしは思わずそう言った。
先輩としては、わたしへの配慮かもしれないが、わたしにしてみたら、これから1時間もこんな重苦しい雰囲気に耐えられるわけがない。
ただでさえ、わたしには、ずっと浩二への罪の意識が付きまとっているのだ。
余計な時間を与えられれば、浩二の影がちらついて、わたしの覚悟はあっさりと揺らいでしまうだろう。
すでに先輩はベッドルームの隣の部屋で、ルームサービスらしき高そうなサンドイッチを食べていた。
浩二やわたしなど、ホテルと言えば、3時間5000円のラブホテルがせいぜいで、それすらもケチって、お互いの部屋でセックスせざるを得ないというのに豪儀なことだ。
もっとも、先輩は恵梨との結婚を前提に貯めていた資金をこの復讐に投じているわけで、その使途に外野のわたしなんかがとやかくいう権利はない。
「それじゃ、1時間後に始めようと思う。それまで飯を食うなり、シャワーを浴びるなり、好きにしてくれ。」
相変わらずの冷静な声で、先輩がわたしに告げた。
「……あの、やるんならさっさと始めませんか。当事者が揃っているのに、引き延ばしてもしかたないと思うんですけど。」
わたしは思わずそう言った。
先輩としては、わたしへの配慮かもしれないが、わたしにしてみたら、これから1時間もこんな重苦しい雰囲気に耐えられるわけがない。
ただでさえ、わたしには、ずっと浩二への罪の意識が付きまとっているのだ。
余計な時間を与えられれば、浩二の影がちらついて、わたしの覚悟はあっさりと揺らいでしまうだろう。