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復讐の味は甘い果実に似て
第4章 背徳のなかで ~明日香の告白~
「……わかった。じゃあ、風呂場でバスローブだけ羽織ってきてくれ。」
「あっ……あの、シャワーも浴びてきていいですか?」
それだけはお願いしたかった。
少なくとも先輩の前でのわたしは、単なる「復讐の道具」でありたい。
こんなシチュエーションに、下着を濡らして興奮しているなどということは絶対に知られたくなかった。
「ああ、お好きにどうぞ、ごゆっくり。」
先輩はあっさりと、わたしの申し出を了承してくれた。
わたしの悲壮な決意や、背徳感にむせぶ心のありようなど、知りもしないで。
わたしはシャワーのレバーを倒して、熱めのお湯をゆっくりと体にあてていく。
体をつたうお湯の流れを見ながら、わたしは浩二のことを考えていた。
ああ、とうとう、わたしは浩二以外の男に抱かれてしまうんだ。
今さら許して、なんて言える立場じゃない。
だけど、それでも浩二を好きな気持ちに変わりはない。
明日、この復讐が終わったら、浩二に、この気持ちだけは伝えに行きたい。
たとえ明日が、浩二と会う最後の日になるとしても。
バスルームの外で、恵梨が先輩に何か言っている声が聞こえる。
今さら赦しを請うているのか、この復讐劇をやめようと言っているのかはわからないが、もう先輩の復讐の炎は、すべてを燃やし尽くさなければ鎮まりはしないだろう。
わたしはそのための道具になるのだ。
そう、単なる道具だ。
それ以上でも、それ以下でもない。
「あっ……あの、シャワーも浴びてきていいですか?」
それだけはお願いしたかった。
少なくとも先輩の前でのわたしは、単なる「復讐の道具」でありたい。
こんなシチュエーションに、下着を濡らして興奮しているなどということは絶対に知られたくなかった。
「ああ、お好きにどうぞ、ごゆっくり。」
先輩はあっさりと、わたしの申し出を了承してくれた。
わたしの悲壮な決意や、背徳感にむせぶ心のありようなど、知りもしないで。
わたしはシャワーのレバーを倒して、熱めのお湯をゆっくりと体にあてていく。
体をつたうお湯の流れを見ながら、わたしは浩二のことを考えていた。
ああ、とうとう、わたしは浩二以外の男に抱かれてしまうんだ。
今さら許して、なんて言える立場じゃない。
だけど、それでも浩二を好きな気持ちに変わりはない。
明日、この復讐が終わったら、浩二に、この気持ちだけは伝えに行きたい。
たとえ明日が、浩二と会う最後の日になるとしても。
バスルームの外で、恵梨が先輩に何か言っている声が聞こえる。
今さら赦しを請うているのか、この復讐劇をやめようと言っているのかはわからないが、もう先輩の復讐の炎は、すべてを燃やし尽くさなければ鎮まりはしないだろう。
わたしはそのための道具になるのだ。
そう、単なる道具だ。
それ以上でも、それ以下でもない。