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銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第3章 エロ坊主、河口光道
「それでも、本堂に一人呼び出されば、怖じ気づく母親もいる。だが、そこからが河口の頭のいいところさ。『セックスしよう』なんて言いやしない。『仏の前で、胸にしまってある悩みや思いを全て吐き出しましょう。そうすれば、心の平安が訪れます』なんて言って、相手の警戒心を解くんだ。それから、『お嬢様に学園の鍵を差し上げましょう』、こう言われたら、断れないだろう?」
「はあ、なるほど、頭がいいですね」
「まあ、よくも悪知恵が働くというか、面の皮が厚いっていうか。母親なら、理事長に呼び出されても、そこで何があったかなんて、誰も喋らないから、無罪ってことよ」
小鹿はもう一度「酷でえ奴だ」と吐き捨てるように言って、盃をグイッと飲み干した。
しかし、これが本当なら、小鹿の言う通り、河口光道はトンでもないエロ坊主だ。