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銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第4章 ママ、お願い。お礼は体で払います
≪急がば廻れ≫
シャワーを浴びて、すっきりした有田がリビングでビールを飲んでいると、入り口のドアを開ける音がした。
「ああ、飲み過ぎちゃった…」
紺地に花柄のワンピース、それに白いカーディガンを羽織ったママの久美子は足元がおぼつかない。
時計を見るとまだ午後10時30分。
「どうしたの?」
「榎本さんよ」
「やっぱり」
「知ってたの?」
「ああ、今夜、飲みに行こうって誘われたけど、断った」
「そうなの…私、あの人、好きじゃないのよ」
「どうして?」
「だってえばっているじゃない」
「仕方がないよ、課長だから」
「スナックじゃ、関係ないでしょう、そんなこと」
「まあ、そうだけど」
「それに、いつも仕事の話ばかり。だから、追い出して、店も閉めちゃった」
久美子はどかっとソファーに腰を下ろして、ふぅーと息を吐いたが、それは、酔っているというよりも、やはり不愉快なのか?ここで「吉田社長の件だけど」と言い出せば、「あんたまで?帰ってよ!」と言われかねない。
「お水、ちょうだい」と久美子はワンピースのファスナーを外している。
急がば廻れ、急いてはことを仕損じる。「はい、お冷」とグラスを差し出した有田はそのままカーペットに座ると、久美子の足首を掴んだ。
「何?」
「疲れている時はマッサージ」
「出来るの?」
「へへへ、任せて下さいよ。こう見えても、大学時代に医療院でちゃんと習ったんだから」
「本当かしら…」
シャワーを浴びて、すっきりした有田がリビングでビールを飲んでいると、入り口のドアを開ける音がした。
「ああ、飲み過ぎちゃった…」
紺地に花柄のワンピース、それに白いカーディガンを羽織ったママの久美子は足元がおぼつかない。
時計を見るとまだ午後10時30分。
「どうしたの?」
「榎本さんよ」
「やっぱり」
「知ってたの?」
「ああ、今夜、飲みに行こうって誘われたけど、断った」
「そうなの…私、あの人、好きじゃないのよ」
「どうして?」
「だってえばっているじゃない」
「仕方がないよ、課長だから」
「スナックじゃ、関係ないでしょう、そんなこと」
「まあ、そうだけど」
「それに、いつも仕事の話ばかり。だから、追い出して、店も閉めちゃった」
久美子はどかっとソファーに腰を下ろして、ふぅーと息を吐いたが、それは、酔っているというよりも、やはり不愉快なのか?ここで「吉田社長の件だけど」と言い出せば、「あんたまで?帰ってよ!」と言われかねない。
「お水、ちょうだい」と久美子はワンピースのファスナーを外している。
急がば廻れ、急いてはことを仕損じる。「はい、お冷」とグラスを差し出した有田はそのままカーペットに座ると、久美子の足首を掴んだ。
「何?」
「疲れている時はマッサージ」
「出来るの?」
「へへへ、任せて下さいよ。こう見えても、大学時代に医療院でちゃんと習ったんだから」
「本当かしら…」