この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第6章 エロ芝居?それはないぜ
≪俄か特訓≫

それから3週間、有田は全ての誘いを断り、毎日、小鹿の家に通った。

「ほら、腰が浮いています」
「あ、いけない。痛っ…」

日本舞踊は重心を下に置くのが基本だが、有田は競技ダンスの動きが抜けず、どうしても重心を上に取ってしまう。雪乃は、顔は優しいが、こういう時は容赦なく細い竹の棒で腰を打ちつけてくる。

「ははは、まるでSMショーだな」

小鹿は笑い転げるが、彼は粋な男、踊りの心得がある。「こう踊るんだ」と簡単にやって見せる。

「小鹿さんが踊ればいいじゃないですか」

お尻がミミズ脹れになった有田が泣き言をいうと、「バカ野郎。俺のケツなんか誰が見るんだ?お前の様なピチピチのケツじゃないとダメなんだよ」と、これまた旨いことをいう。バカだと思っても、「そうですか、きれいですか」と有田はすっかり乗せられてしまった。

そんなこともありながら、3週間経った10月下旬にはどうにか様になってきた。

「いいねえ、有田、やるじゃないか」とご機嫌の小鹿から、「これが脚本だ」とホッチキス留めしただけのものを渡された。

「えっ、これだけ?」

有田が驚くのは無理もない。演目は「常磐津 年増」をエロチックに仕上げ、最後は主人公の女を若い男を手籠めにするという、舞踊関係者が聞いたら怒るような内容だ。

「踊りは雪乃だから心配するな。有田、お前は後ろで教わった通りに真似事をすればいい。それで途中で鼓でポンと合いの手が入るから、そこで襲うんだ」
「襲うって、どうすればいいのか…」
「世話のやける野郎だな。今夜、泊まっていけばいいんだよ。バカ!」

小鹿はその場にあったプラスチックの定規でボコボコに殴った。だが、こういう時の小鹿は機嫌が悪いのではない。口で説明するのが面倒くさい時である。
/113ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ