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銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第6章 エロ芝居?それはないぜ
≪頼みの綱は化粧≫
秋。一番いい季節だが、有田はちょっと緊張している。地図を片手にエロ芝居の会場を探していた。
どこだ?あ、ここかあ…ようやく探し当てた屋敷は表通りから少し奥に入った木々に囲まれたものだった。池袋駅からそれほど遠くはない場所なのに、「へえ、こんなところがあったのか」と感心してしまう程、別世界だった。
裏木戸をくぐり、敷き詰められた石畳みを進むと、庭が目に入ってきた。
大小様々な石で形作られた庭には鮮やかな苔が敷き詰められ、赤く染まった満天星つつじが花を添えていた。
素晴らしいなあ…有田が感心していると、ガラガラと裏に硝子戸が開いて、「おお、来たか。待ってたぞ」と小鹿が中から呼んでいた。
せっかくいい気分になっていたのに…有田がちょっぴり不満そうな顔をすると、「しけた面をするなよ」と彼に背中を叩かれてしまった。
屋敷の中は広く、廊下に面し、小部屋がいくつも並んでいた。
「おーい、来たぞ」
「はあーい」
通された六畳間では既に雪乃が支度をしていたが、有田の顔を見ると、「ふふ」と意味あり気に微笑んだ。
「この間は凄く気持ちよかったわ!」、「僕もだよ!」と、互いに目で会話を交わしたつもりだったが、小鹿の目はごまかせない。
「ほらほら、最初から乳繰りあった顔じゃダメだぞ。引き締めろ!」と有田はお尻を蹴飛ばされてしまった。
秋。一番いい季節だが、有田はちょっと緊張している。地図を片手にエロ芝居の会場を探していた。
どこだ?あ、ここかあ…ようやく探し当てた屋敷は表通りから少し奥に入った木々に囲まれたものだった。池袋駅からそれほど遠くはない場所なのに、「へえ、こんなところがあったのか」と感心してしまう程、別世界だった。
裏木戸をくぐり、敷き詰められた石畳みを進むと、庭が目に入ってきた。
大小様々な石で形作られた庭には鮮やかな苔が敷き詰められ、赤く染まった満天星つつじが花を添えていた。
素晴らしいなあ…有田が感心していると、ガラガラと裏に硝子戸が開いて、「おお、来たか。待ってたぞ」と小鹿が中から呼んでいた。
せっかくいい気分になっていたのに…有田がちょっぴり不満そうな顔をすると、「しけた面をするなよ」と彼に背中を叩かれてしまった。
屋敷の中は広く、廊下に面し、小部屋がいくつも並んでいた。
「おーい、来たぞ」
「はあーい」
通された六畳間では既に雪乃が支度をしていたが、有田の顔を見ると、「ふふ」と意味あり気に微笑んだ。
「この間は凄く気持ちよかったわ!」、「僕もだよ!」と、互いに目で会話を交わしたつもりだったが、小鹿の目はごまかせない。
「ほらほら、最初から乳繰りあった顔じゃダメだぞ。引き締めろ!」と有田はお尻を蹴飛ばされてしまった。