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銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第1章 スナックのママ
≪ダンナとのご対面≫
リビングで向かい合って座る男は小柄だが、ちょっと目つきが怖い。そいつが、「おい、お前、この若いヤツとやったのか?」とママを睨んだが、ママは悪びれるどころか、「バカ」と笑い出した。
有田は借り物のガウンを羽織っていたが、その下のペニスはすっかりおとなしくなっていた。
「一晩一緒にいて、何もしない男がいたら、叩き出しているわよ。セックスするのは当たり前でしょう。若いから3度よ」
「クソ、回数までは聞いてねえよ」
男は有田の方を見てニヤッと笑うと、「この野郎!」と、持っていた週刊誌を投げつけてきた。
「あっ…」
有田はそれをよけると、スーツを掴んで立ち上がったが、男の方が早かった。
「こら、逃げるな!バカ野郎!」と有田は2、3発殴られてしまったが、「あなた、やめて、私が悪いんだから」とママが間に入ると、意外にもそれで終わりだった。
「にいちゃん、名前は?」
「あ、有田雄一です」
「雄一か、それで年は?」
「30…」
「まあ、仕方がない。俺はチンチンが立たねえからな。あははは」
大笑いする男の名前は小鹿(こじか)大樹(だいき)、52歳。考えてみれば当たり前だが、ダンナと言ってもママとは婚姻関係にある訳ではない。スナックの陰のオーナー、いや、そういう意味では本当の「旦那」だ。池袋で骨董屋を営んでいるそうだ。
リビングで向かい合って座る男は小柄だが、ちょっと目つきが怖い。そいつが、「おい、お前、この若いヤツとやったのか?」とママを睨んだが、ママは悪びれるどころか、「バカ」と笑い出した。
有田は借り物のガウンを羽織っていたが、その下のペニスはすっかりおとなしくなっていた。
「一晩一緒にいて、何もしない男がいたら、叩き出しているわよ。セックスするのは当たり前でしょう。若いから3度よ」
「クソ、回数までは聞いてねえよ」
男は有田の方を見てニヤッと笑うと、「この野郎!」と、持っていた週刊誌を投げつけてきた。
「あっ…」
有田はそれをよけると、スーツを掴んで立ち上がったが、男の方が早かった。
「こら、逃げるな!バカ野郎!」と有田は2、3発殴られてしまったが、「あなた、やめて、私が悪いんだから」とママが間に入ると、意外にもそれで終わりだった。
「にいちゃん、名前は?」
「あ、有田雄一です」
「雄一か、それで年は?」
「30…」
「まあ、仕方がない。俺はチンチンが立たねえからな。あははは」
大笑いする男の名前は小鹿(こじか)大樹(だいき)、52歳。考えてみれば当たり前だが、ダンナと言ってもママとは婚姻関係にある訳ではない。スナックの陰のオーナー、いや、そういう意味では本当の「旦那」だ。池袋で骨董屋を営んでいるそうだ。